七転八べぃ≒(七転八倒+七転八起)÷2 ≒あさ・がお

2017/05/06(土)16:54

ミュシャ(ムハ)展をみました。

旅への想い・ふしぎな風景・はじめての街角(51)

 先週に、念願のミュシャ(ムハ)展を見てきました。                                                           http://www.mucha2017.jp/ 「芸術新潮(ミュシャ特集)」をみて、「スラヴ叙事詩」の要点は理解してから行ったつもりだったのですが、やっぱり、現物は違う。 行くまで気が付かなかったけど、一辺が3~5メートルもある絵画が、雑誌誌面では10分の1に縮小されているのだから、いろいろとこぼれ落ちていても、まぁ、しょうがない。 これは絶対に、掘り出し物ですぜ!! 可能な方は、現物を、是非ごらんください。 とりあえず、著名なポスターや切手などの小振りなものは、あとまわし。人だかりしていれば、近眼の自分には無理。あとで図録でみればいい。 この日は、『スラヴ叙事詩』を、メインに観ることにする。 で、結局は、全20枚からなるこの連作を、4巡もすることになりました。 ■■ミュシャ(ムハ)展 1巡目 ・「スラヴ叙事詩」は、やはり大きい。なるべく画面から5~7メートルほどはなれて、全体の構成をみてゆく。 ・それぞれの画面から2~3メートルに人ごみ。平日なのに、各々の前に5~20名ほどの人だかり。 ・展示コーナーは3つに区画されていて、それぞれの4面に1~3点が展示されている。なるべく展示区画の中央に立ち、各画面の全体を観る自分だけが、離れていて、自分だけちょっと、奇妙な人。 ・原寸だから、わかることがある。雑誌のカラーページでは平板に見える部分にも、細かい表情がある。煉瓦色の壁には目地が描かれているし、遠景の塔のまわりに鳥の群れがあることなども、雑誌では気づかなかった。白いだけに見えた死体にも、くぼんだ部分では、肌にあわく緑色がのせてあったりする。木々の緑も黄色と緑の2色の点描で表現されている。夜空だって、濃・淡の青色2色の点描で埋め尽くされた中に、白く星を書きこんでいる。とりあえず、1巡目は構図を観よう。会場を一巡したのちに再度、至近距離から観直すことにする。   ・ポスター、装身具、紙幣、切手、装丁などの展示はざっと。このへんのものは、図録でも見られるはず。 ・横長の絵画作品「ハーモニー」は気にかかるが、観客が渋滞しているのでざっと。2巡目に期待。 ・1巡目での気になるポイントは、20枚の連作であるのに、絵のサイズと構図と場面はまちまちだったこと。正方形、縦長、横長が混じっているし、左右対称もあれば、Z字の並びに人々が配置されたり、左下から右上にむけて波打ち際が伸びて行ったり。見上げたり、見下ろしたり。     ■■ミュシャ(ムハ)展 2巡目  ・「スラヴ叙事詩」の起点に戻る。 ・並び順は本来のものではなく、バラバラ。サイズや構図に関するミュシャの工夫が、軽んじられているような気もするが、判断不能。でも、紙芝居をシャッフルして、どうするんだ、という気持ち。 http://www.mucha2017.jp/slav/intro.html#link ・雑誌の記憶をたよりに順番どおりに廻ろうと思うが、記憶があいまいで、ちょっと無理。入場まえに図集を購入できれば、この辺の問題は片付くのだが残念。壁に貼られた音声ガイドの案内順が、一応の目印にはなる。音声ガイト利用者だけが、配置図を持っているのも、ちょっとね。 ・今度は、2~4メートルほどに近づいてみる。雑誌で見たときには、空や海は、版画的に均一に彩色されているように見えたが、近づけば、繊細な色の振れ幅で、点描がほどこされていて、油絵的なタッチに見える。王侯貴族の衣装の細部や、まで、意匠が工夫されていたり。 ・3つ目の展示区画のみ、撮影がフリーだ。1枚1枚を画面に収めるのは、必要ないか。図録を買えば、入っているはず。なるべく、ディテールの面白いところを、切り取って撮ろう。 ・いろいろな切りとり方ができる。群像であるから、気になる人物だけをクローズアップしても、絵になるところが多い。 ・写真の前に立って記念写真を撮るひともいた。だいたいがスマホだけど、一眼デジカメのひともフラッシュはたかない。 ・あ、目だけで追っていて、絵の意味をまったく考えていなかった。コンパクトカメラを覗いて、そんなことを思う。    ■■ミュシャ(ムハ)展 3巡目・まだまだ、見落としていることが多いはず。だけど、それはオイトイテ、すこしは雰囲気や表情をみてみよう。各々の絵が、歴史上の事件や人物を題材としているのだけど、それを把握してはいない。 ・だけど、目がなれてくれば、いろいろな思い(雑念)が広がる。 ・『スラヴ式典礼』3枚目を観ていたおばちゃんが、「空をあるいているけど、これって神話?」と。 『スラヴ民族の賛歌』(最終20枚目)が、異なる時代をパッチワークした縦スクロールの絵巻物になっているのを見ている自分には、これも同じ構成のように思えるのだが。 ・『クジーシェキでの集会』(10枚目)は、合宿で行ったことのある長野の地形を思わせる。盆地の外縁。微妙な明暗のある絵で、中央部分だけに陽がさしていて、山あいの足の早い雲の影と似ている。あれ、照明のせいかな。気になって、天井の電球を見上げてみる。あ、天井の電球が一個、切れている。 ・『原故郷のスラヴ民族』(1枚目)の絵の上部中央がいささかさがり気味だ。留め金のリングが、6~7個、はみだしているのが、気にかかる。 ・全体に、住宅がない。 教会(9・17枚目)や王宮(4・5・19枚目)や要塞(17枚目)はある。屋外を舞台とする絵もある。村を追われて逃げ込んだ草原(1枚目)や、戦場(8・11・12枚目)もある。 あ、歴史は住宅では創られない、ということだろうか。 ・市役所の壁画の中に「コンドルのジョー」に似ている人物を見つける。そういえば、キャシャーンの背景で見たようなヨーロッパ風の塔もあった。タツノコプロの参考資料になっているのかもしれない。 ・横長の油絵「ハーモニー」の前がたまたますいている。順路に逆行するけれど、左端から右端へ。この絵を観るときのベストポジションは、左の端だと思った。大きな絵には、遠近法の関係で、ベストポジションがあるはず。巨神の顔が、山並み越しに右奥から左手前を向いている。くわえて、左右の手のひらの遠近感も、左側からみたほうが、しっくりくる。 あ、この位置に、画面中でいちばん大きく描かれている人物がいる。  あれ?スラヴ叙事詩のそれぞれにも、ベストポジションがあるのかな。 ・いくつかの絵には、手前に、はみ出すように描かれている人物がいた。っと、4巡目への興味が興る。 「2001年宇宙の旅」でも、劇場で観ると、手前の人物が等身大にみえるシーンがあったはず。     ■■ミュシャ(ムハ)展 4巡目  ・とりあえず、それぞれの絵をみるさいのベストポジションをさがしてみる。一番手前にいる人物は、一番大きくかかれている。ここが、ベスポジではないかと仮説。   ・『ボヘミア王』(5枚目)のドームの内側の光にもヒント。左側奥の45°方向が光っている。この場合の、視点の元は対角になるはずで、右側手前がベストポジション。 ・『スラヴ民族の賛歌』(最終20枚目)でも、 やはり最手前の人の場所からみると、後背の神さまと目が合う。 ・海辺の絵『ヤン・アーモス・コメンスキー』(6枚目)でも、最前列の場所からみると、左下から右上にむけて、群衆・椅子に座る老人・砂浜・群衆・町の明かり・海岸の船などが一列にならんで、奥行きが強調される。 この辺で、2時間を超えて、眼も、足も、疲労困憊。椅子が少なすぎる。 ・米国の国旗をみつけて、「あれ?」。 第1次世界大戦の後だから、といわれれば、納得せざるをえないのだけど。 とくに、まとめはありません。 これにて 「 完 」

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