2021/02/12(金)01:32
雑考 「きみはロックなんか聞かない」
「きみはロックなんか聞かない」というフレーズを、
誰かがラジオであいみょんの「発明」だと言っていた。
このフレーズで、「きみ」がどんなタイプなのか、十分に理解できると。
確かに!と納得した。
でも、2~3日すると、違和感。
なにか、もっと違うものが語られている印象なのだが、ことばにまとまらない。
牛のように、数回くり返して噛みしめていると、アクリルの壁がみえてきた。
きっと、ぼく(わたし)は「ロックが大好き」で、ロックを聴きそうにない「きみ」との間に距離を感じている。
身近にはロックがすきな友人がいるのだけれど、なぜか遠い「きみ」にひかれている。
そんな合理的でない距離感まで描き切っているように思えた。
***ここまでは、一般解。ここから参考例。***
あっつぁんは、ロックも含めて洋楽をめったに聞かない。
数年に一度は、興味のわく洋楽にであって、訳詞をみたり辞書をひいたりするのだけれど、どうしても、いくつかの日本語に枝分かれしていって、決定稿がみつからない。
汲み取れない意味があるようで落ち着かない。
あるとき、車でラジオを聞いていた。
後部座席にいるひとは、英語がすきなひとだったので、HNK-FMの洋楽の番組をながしていた。
「あ、いまの曲、*****だね。」
おいおい、ラジオの流れている車の中で、その小声はないだろう。
訊き返したのだけれど、戻ってきたのも、届き切らない声だった。
ELOか、EL&Pか、どちらかを言っていたようだけど聞き取れなかったし、名前は聞いたことがあっても、素性はまったくわからないバンド。
ふと、5年の時をすごして、今日調べてみた。
EL&Pは、高校の先輩の好きだったバンドだと再認識。タルカスのジャケットは何度も目にしたし、夏休みにはラジカセで繰り返し再生されていた。
ELOは、「あぁ、この曲が」という程度。サビの部分くらいは、耳になじみはあるけれど。
水玉さんがいう「島」の感じかなぁ。
海ほどきびしくはないだろうけど、
浅いけれど、こえるには努力の要る河くらいは、あるのかなぁ。
あいみょんははからずも、「川または距離」まで描いたのかもしれない。と。