5月の読書その2
5月の読書その2水中の賢者たち写真が先か、名言が先か。絶妙の取り合わせに毎ページ唸ってしまった。しかも取り上げられている漢文が四書五経や唐詩選などポピュラーな出典にとどまらず、とう(とう小平のとうです。楽天のブログはぼろなので表示できません)析子なんて管見にして初見もあり、著者の博識にも脱帽。寝床でのんびり読む本。読了日:05月29日 著者:中村 征夫散策 ひと里の花猿屋さんが野草について述べた文章に美しい植物画が配される。しかし、「ナズナの種小名は『羊飼いの財布』という意味」などとある脚注のおもしろさも秀逸。読了日:05月29日 著者:河合 雅雄,長谷川 哲雄江戸のくずし字学習図鑑掛け軸を読むのに難渋したので、恥ずかしながらお勉強。取り敢えず最新の本で、お稽古用になぞって覚える部分がある。それはそれとして、古代中国ではフクロウは母親を食べて飛べるようになるので、おや不孝の象徴だったとか、そういう面白くも偏った知識が面白かった。読了日:05月28日 著者:西田 知己小説日本芸譚 (新潮文庫)著者は本当に芸術を芸術として理解していたかいささか怪しい。「形式の圧縮は観念の饒舌なのである」などというそれっぽいけれど空虚な言辞。しかし一方で現実世界に戻った時の眼光は鋭い。いわく「技術家というものは、重宝がられる代りに、政治的な権力には出世できないという宿命がある」と。それが日本の衰退(もしくはこの程度しか繁栄できなかった、でもいい)の元凶であることを見抜いていたかどうか。 読了日:05月27日 著者:松本 清張伊東忠太動物園主著者の文章は嫌みはないが平板で面白くない。写真とその解説および背景の部分だけで十分。最後の伊東忠太の「化物(ばけもの)」に関する論考が秀逸。支那(シナ。この変換、出てこない。差別用語だと思っているらしい。全然そんなことないのに。だいたいフランス語なら「シノワ」だし)は一番空想の幅が大きく、西洋は理性に空想力が負けていて、日本は平和ボケで論外。という批評は今も新鮮。読了日:05月21日 著者:藤森 照信,増田 彰久,伊東 忠太そこは自分で考えてくれ法律なんて社会生活を円滑に回す為のツールに過ぎないのに、ひとたびデキテしまうとそれを守ることを金科玉条と思ってしまう、という同じドグマを阿木もせずに延々と手を返品を替え書き続ける根性に脱帽。しかしその池田先生の正論はどうして日本人の常識にならないのだろうとふと思ってします。朝吹がいつも相手にしている霞が関の連中は法律を権力の源泉と思っているから、その濫用が国民のためにならないとわかっていても、改めようとしない。死ぬまで治らないのだろうか。読了日:05月20日 著者:池田 清彦オスは生きてるムダなのか (角川選書 469)「生物はセックスすることで死ぬ能力を獲得し、複雑になったのだ」って、なるほど、だからボクのガールフレンズはみんな、死ぬ死ぬって叫ぶんだね。って、言ってみたかったなあ。読了日:05月20日 著者:池田 清彦