イタリア その32 ローマ9
結局気がつくと12時近くでした。バチカン美術館には4時間いたことになります。もっとも、最後の30分間は、修復なったシスティナ礼拝堂で天井や壁画を見ながらぼけーっとしていただけですが。 修復前は天井画の天地創造も正面壁画の最後の審判も、黒っぽいベールがかかったようになっていて、実に心が静まる気分がしました。サン・ピエトロ寺院に初めて足を踏み入れたとき(後に狙撃されることになるヨハネ・パウロ2世が、真っ赤なマントを着た枢機卿とともに何故か正面祭段に現れ、待機していたと思われる一団に向かってミサを始めました。けっこう気さくな人のように見えました)に感じた厳粛さと似ていました。 今回、黒いベールがはがされたかのように、色彩も鮮やかなミケランジェロの筆致が、広い天井と壁面いっぱいに広がっていました。こんな絵だったとは気がつきませんでした。 しかしものすごい混雑。「立錐の余地もない」という慣用句がぴったり。立錐、すなわちキリ(錐)で刺すほどの余地もないという感じ。でもガイドさんは「なあに、今日は空いているほうですよ」とのこと。ああ、世界は豊かになったんだと思いました。 ちなみに、ここ数年で増えたのは中国人。それに今の法王の出身国ドイツ、意外だとガイドさんは言っていましたが、インド人。この3国が観光客増加のトップ3だそうです。 もたもたしていて遅くなりそうだったので、サン・ピエトロ寺院側にある出口につながる坂道を降りながら携帯電話でイタリア支社差し回しの送迎者に連絡し、拾ってもらいました。 その運転手さんが、「ローマで最後に面白いものをお見せします」といってちょっとだけ遠回りをして連れて行ってくれたのが、このピラミッドです。時間がないので徐行してもらって写真に収めるのが精一杯で、降りてしげしげと眺めるわけには行きませんでしたが、けっこう立派な作りです。 どうやら誰かのお墓のようです。 別の角度から撮ってみました。人やクルマと比べると大きさがわかると思います。角度がちょっと急なのは、何かのご愛嬌でしょうか。 左側から壁のようなものが突き出ていますが、実はこれはローマの城壁の一部です。ちょうどこのピラミッドがある辺りを通って城壁が拡張されることになり、少しでも手間を省くために、既存の建造物が流用されたということのようです。 以上、長々と続けてしまいましたが、まだまだ書き足りないこと、お見せしたいもの、たくさんあります。しかしきりがないのでこの辺でまたもとのペースに戻し、気が向いた時にイタリアも話題に採り上げようと思います。 人気blogランキング投票よろしく 今日はどのへん?。