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アサハカな論考もしくは非生産的妄想

October 11, 2004
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テーマ:新撰組!(340)
カテゴリ:カテゴリ未分類
三谷「新選組!」の魅力は数あれど、特筆すべきはその緻密で親近感溢れるキャラクター設定であろう。

近藤勇は従来、抜群に胆力が据わり、コワモテで無骨な男として描かれることが多かった。もちろん当作品でもそういった面はあるのだが、この勇はとにかくひたすら人が好く、人の話をふむふむと聞いてはうじうじと思い悩む。その姿はまるで剛毅とは言い難く、よく言われているように池田屋以降舞い上がって傲慢になるようなこともなく、一貫して、親身になって仲間たちを励まし、ともに苦労をしながらも懸命に率いてくれる、ちょっと頼れる兄貴のような存在である。主役として扱うなら、言われてみればそのように人間臭く設定する方が、若者の苦悩を描けるため確かに妥当だ。

総司もそう。飄々と人を斬る天才剣士であるが、独特の雰囲気を醸し出し何故か人に愛される男というのが従来のイメージ。草苅正雄(古い!)の陰りのある総司、あるいは「壬生義士伝」で妖しげな狂気を発していた堺雅人扮する総司が、極端ではあるが、「特異な人」という従来からのイメージに近い。ところが当作品の総司はまことに幼く、不治の病に対する振る舞い方もまったく普通の人のそれである。たしかに腕も立つが、初めて人を斬る時には恐れ、実際人を斬った後は興奮し、悔やむさまも隠さず描かれる。

一言でいえば、みな未熟なのである。未熟なまま激動する時流に身を投じ、一様に悩み、挫折し、苦しむのであり、それゆえ一般人の我々が容易に感情移入できるのである。

で、平助である。藤堂平助の従来の描かれ方はこんな感じか。伊勢藤堂家ご落胤との噂もあり、どこか高貴な匂いがする武士である。北辰一刀流の名門伊東道場で鍛えただけあって、時勢にも聡く、ある種嫌味な面さえあり、当然プライドも高い。試衛館一派には友誼を感じてはいるが、自身の信念に基づき決然と新選組を去る。

だが、この作品では、あの幼い総司よりもさらにオミソな役割を担っている。常に劣等感に苛まれ、しかし勇に認められたことに感激し、誠実な彼は必死に頑張って成長しようと健気に日々奮闘している。そして今、敬愛するふたりの師の間で揺れに揺れるのである。
そもそも従来の物語で彼は「藤堂」と表記されることが多いように思う。ところが、当作品では常に「平助」と下の名で呼ばれている。むしろ「へーすけ」とひらがなふうに口に出したいくらいである。それほど親しみやすく愛すべきキャラクターである。

それだけに、今回の別れは心に沁みる。総司が死を目前としていたことを知り、平助は自分の甘さを思い知る。総司も、決心の鈍っていた平助の背中を押す。親友であり目標でもある総司との爽快な別れである。「旅立ち」というのも何とも深いタイトルではないか。総司も平助も、大人への階段を一つ上がった。ただしそれが死に向かう階段であったのが、何とも言えず悲しいのである。「つらくなったら戻って来い」。平助に対する勇の別れの言葉も、それが叶わぬことを知るだけに、いっそう彼の非運を嘆くのである。

なお、平助についての分析は、白牡丹さんのblogにて今までの各話にわたって極めて綿密に検証されている(藤堂平助くんを分析っ その1その2その3)。ひじょうに読みごたえがあるので、ぜひご一読されたい。






Last updated  April 15, 2012 08:13:00 AM
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