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カテゴリ:まるで日記まがい。
まだ洗ったばかりの濡れた髪、乾かすように通り抜けてゆく秋の風。
空を見上げると、青い空、天高くをいわし雲が流れていたりして… いわし雲が出た後の天気はどうなるのかなんて考えてたのも束の間で、 いつの間にか、ただぼんやりと雲の行方を追ってみる。 「綺麗になったね」 後にシャワーに入った弟が、部屋から庭に顔を出した。 一仕事した後の熱いた身体に、ひんやりとした風が心地良い。 少し高いところから庭全体を見渡している弟が、満足そうな顔を浮かべている。 綺麗に刈り揃えられた芝生の緑が、雑草の無い花壇の土色に映えている。 そしてその緑の上には… イスが…5つ。 のんびりした時が過ぎる。 空が染まり始めた頃に鳴った母からの電話は、準備に取り掛かる合図。 昼寝をして休日を満喫中の父も、起きて炭に火を点け始め、私と弟は食器やテーブルなどを準備する。 俄に家が慌しく動き始めた。 30分後、仕事を終えた母が買い物を済ませて帰ってきた。 同じ頃に、高校生の弟も。 「乾杯!!」 家族5人…それと愛犬のキキで、楽しむひと時。 笑い声が絶えない。 暗くなってきてガスランプに火を点ける。 オレンジのあたたかい灯りが、辺りを照らし出す。 5つのイスには…。 しっとりとした時が流れ始めた。 時折風に揺れる灯りがムードを演出する。 2階の窓から、心地よいほどの音楽が流れてくる。 会話の合間に流れた無音の向こうに聴こえてきたのは、 Eric Clapton『Tears in Heaven』… もしかしたら天国があるのかもしれないし、 そこが泪することのないような、安らぎの世界であるかもしれないけど、 いまこうして家族と過ごしているこの世界が、私は結構好きだったりする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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