仔猫。
わが家に仔猫がやってきた。ひらりと風のようにさりげなくやってきた。わたしの片掌に乗っかるほど小さな小さな猫。こんなに小さくてはたしてちゃんと育つんだろうかと心配だった。仔猫はぴょんぴょん跳ねている。自分の身長の何倍もの高さからぴょんと飛び降りる。見るものすべてが面白いらしく起きている間はじっとしていない。かわいいな。人間も猫とおんなじ。生まれたばかりは純粋無垢で何にも染まっていない。育つ環境って大切だなとわが子を見ていて切に思う。母子家庭で育ったふたりの子はうっすらと翳りがある。傍目にはわからないけれども、母親のわたしにはとても色濃く見える。わたしに暴力を振るう子どもたち。でもね、母には分かるもの。あなたたちは寂しいんだよ。やり場のない哀しみをわたしにぶつけてくるんだね。母はあなたたちの幸せを心から祈っています。どうかわたしと同じ過ちを繰り返さないように暖かい家庭を築いてください。.