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(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
桜といえば、明治8年の今日4月4日は、東京・銀座にあんぱんの店を構えていた木村安兵衛(きむら・やすべえ)が、明治天皇に初めて「桜あんぱん」を献上した日だそうです。
それは、向島(むこうじま)にあった水戸藩の下屋敷で催された、お花見のお茶菓子として考案されたもの。日本の国の花であり、季節感を表現できる「桜」を使って特別なあんぱんを作ってみようと、わざわざ奈良の吉野山から八重桜の桜びらの塩漬けを取り寄せたのだそうです。
それをあんぱんの上から埋め込んでみたところ、天然酵母の酒種(さかだね)を使ったパン生地と餡の甘味に、塩漬けの桜の味と香りが絶妙なハーモニーを生み出したとか。
そうして誕生した「桜あんぱん」は、明治天皇も皇后陛下も、たいそうお気に召されたそうです。
こうしたエピソードが代々語り継がれ、4月4日は「あんぱんの日」という、なんともおいしそうな記念日になりました。
今では、毎年この時期になると、日本各地のパン屋さんの店先に、桜の花びらを使ったあんぱんが並びます。味も香りもそれぞれに素晴らしいのですが、そのはじまりは明治時代、銀座で生まれた献上品の「桜あんぱん」だったのですね。 *『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。 また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年04月04日 07時00分18秒
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