2005/03/29(火)14:48
「恋する存在」のあとがき
ある時、私はルソーの言葉を目にした。
「生きるとは呼吸することではない。行動することだ。」
その言葉から、人間の心を持ったロボットが人間に向かって、「あなたよりもよっぽど人間らしく生きています。」と言うシーンがイメージされた。
人間らしい感情をプログラムされたロボットと、無気力に生きている人間。
存在とは何か、生きるとは何か。・・そういう哲学的な話を書いてみよう。と私は思った。
・・けど、マジメに哲学っていうのは疲れるかな。っつーか、誰も読みたいと思わないか。
んー・・・じゃあ、いっそのことラブコメにしちゃおう。ロボットと人間の愛。コミカルな日常の裏には、けして結ばれることの無い切なさ。そんな話ならちょっと興味を引くかもしれない。
そうだ、それでいこう。哲学的ラブコメディを書くのだ。面白くてすんなり読めるのだけれど、読み終わった後に少し考えさせられる。そんな話にしよう。
・・そうして、私はこの話を書き始めることにした。
書き始めた頃のタイトルは、「機械の気持ち」だった。
連載する時になってタイトルに悩んだ。より恋愛要素を前面に出そうと、「恋するロボット」というタイトルに変えた。
ちなみにこれは、「恋するソクラテス」という、セカチューの原稿段階での仮タイトルを意識した。
しかし、このタイトルではアリサが翔太に恋をすることがバレバレだ。なので、いろいろ考えて「恋する存在」というタイトルに決めた。
余談だが、(いや、このあとがき全体が余談であるのだが・・)翔太という名前は、鉄人の正太郎くんを意識した。さらに、アリサはメリッサ(コンピューターウィルス)を意識している。
まあ、適当な名前の付け方だ・・。
初めの予定では、もっとアリサという存在に関して深く触れていくつもりだった。実存がどうとか・・そういう哲学的な感じで。
そして完成した「恋する存在」。
・・・哲学はどこに行った?
・・・これは、コメディって言えるか?
ま、でもいいか。
いろいろと最初に考えていたものとはずれているが、書いた人間としては、これでけっこう気に入っている。
自分が今までに書いた中では一番好きな話かもしれない。翔太父がけっこういい感じで、気に入っている。
まあ、もっと上手く書けただろうと思うけれど・・・。それは次への課題ということで。
実は、この話の続編や、サイドストーリー的な話も書こうかと思っている。
もしもその時は、温かく見守って欲しいと思う。
・・あとがきが長くなってしまった・・
ま、とにかく最後に、
こんな話を読んでくれた皆様に感謝いたします。拙い物語ですいません。
次回作も、どうかよろしくお願いします。
恋する存在の連載を終えて。
かめ@ゴミスティピョン