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テーマ:詩&物語の或る風景(1048)
カテゴリ:Friday: 全ての酒好きに捧げる夜
駅を降りる。
駅に降りる? 私の前に座っていた親子が重そうに腰を上げる。親子に違いない、似ているもの。肉のつき方。 雨が昔降ったような匂いがするわたしは傘をもっているばかばかしい100円玉の重さとおなじ重さの傘必要ない必要ないけど捨てることもできない 坂道だ下ると飲み放題3000円と書いた看板さらに下るとひとり一台の自転車の周りであつまっている若いよっぱらいたち。くわえタバコで携帯メールが様になるとおもっている楽しくてしかたがない時代 わたしはもっと下る大きなガソリンスタンドは壊されている底が見えない穴でも底はみえるのかもしれない底なしならいいとおもっただけ その近くにたっている電話ボックス嘘じゃない本当に電話ボックスなんだってばそれは:曇っていたとにかく曇って中がよくみえなかったわたしはそれに近寄ってバカと書くようなマネをした真似をしただけだってばだって後ろからひとが歩いてきてたから ふりかえったらそのひとは綺麗な禿げでわたしははげとかかなくてほんとうによかったと思う心からよかったとおもう すこし坂はゆるやかになって新築マンションのモデルルームの前につまらなそうなひとがいるあたりまえだこんなのつまらない電気もないし寒いしお腹がすいたらひとりでなんか冷たいものをたべなきゃいけないんだ 警備員の格好はしているけどわたしはしってるこの人はただの大学生わたしと同じ しばらくおしゃべりでもしたい しばらくおしゃべりでもしようよ しばらくおしゃべりでもするかい? でもわたしはかれのほうをみないでとおりすぎる ようやく坂がおわって、測量とかいた看板を発見する嘘をつくなとひとりごちてそこをすぎるとエッチなビデオを置いている自動販売機がたくさん置いているむかし古本屋さんだった店舗がピンク色に光っているわたしは立ちどまってなかをのぞいてみたわたしの顔もピンクにそまったのかとおもうとちょっと面白くて誰かに見てもらいたかったけどこんなときに限って誰も通らない 道は細くなってでも車がけっこうとおるからだから気をつけなさいねと母親が言った声が飛来するだけどそこにあるカーブミラーは曇っていて用を足さないこんなカーブミラーを以前もみたことがあるあれは母親が急いで出発した冬の日車は大破した なんとなく走り出してかとおもうと手に持っていた傘がどうしてもじゃまになり放り出そうかと思うけれどそれは手に張り付いたようにはなれないわたしは駅で傘をふりまわしていたおじさんを思い出して心底うらやましくなるあんなふうにゴルフの練習ができたらいいとおもう そうしたら きっとこのかさもじゃまではないのだ; 盛り土がしてある。電信柱の根元に。 30人学級を目指しましょうと小さなポスターに書いてはってあった。艶やかな子 供の顔うれしいだろうか30人で先 生がひとり。 傾きかけていた家は最近崩れてしまった あれはほんとうに傾いていたのだろうか 橋の上で中学生がたむろする きっとそこが特別なばしょなのだ 水の上にいるのはだれでもすこし心もとないだから群れるの? 家の鍵を回そうとしたら回らなくてつぎに選んだ鍵もかぎあなにあわなくてかちゃかちゃかちゃ かちゃかちゃかちゃ かちゃ かちゃ かちゃ かちゃ かちゃ かちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃ と やっていたわたしはおそれていたとなりのおやじをだってまえにそとにでてでんわではなしていたらおこられたのだものでもおやじはいなかったおやじのいえもなかったそれはさいきんこわされてたいらなとちになっていたのだ 「ただいま」 と私は言って誰も返事をしなかったから冷蔵庫をあけて秋刀魚のフライと大根の煮物を見つけてビールの缶を プシュ と やった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年11月13日 02時52分58秒
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