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カテゴリ:読書レポート
これから、本を読み終わる度に『読書レポート』を書くようにします。
今日は第1回目、読んだ本は皆川 博子の『死の泉』です。 それでは始まり始まりぃ~ 物語の前半、戦時中の話は適度に幻想的であり、適度に不気味であり、そこそこいい。 が、第2章に入り、話が後半に進むに連れて登場人物は増えて物語は凡庸になり、 そこらのミステリー映画でも見てるような感覚になって来る。 大体が後半登場人物が増えすぎだ。国防スポーツ団とか大佐とか何なんだ? ヘルムートはもっと不気味な役かと思ったら只の同性愛のお人好しだし。 そして、あの廃城と巨大な地下道と地底湖。 前半のファンタジックで不気味な世界からあまりにもかけ離れた大仰な舞台仕掛け。 クラウスの連れてる犬が怖くて行動できないことになってる場面が多く出てきて、 それでストーリーが成り立っている場面が多くあるが、 拳銃持ってるなら排除できるだろ、と。 実際最後は簡単に拳銃で殺られてるし。 マルガレーテを始めとしてその他の登場人物もみんな、間違った選択をしすぎ。 そこでそんなことしたら当然そうなっちゃいますよね、 という悪い選択をして話がそういう方に進んでいく。 それだけ知的程度が高くない人物として書きたかったのか、単に作者の勝手なご都合主義なのか。 そして、文章の途中での唐突な語り部、内容の転回。 1行空けて段落を変えてくれればまだしも、 そうでもなく唐突に話の内容が変わる場面が多くて「急にこれは何の話だ?」 そういうのも含めてファンタジーにしたかったのかもしれないが、読みにくい。 そして、アマゾンのレビューなどでも書かれている最後の「あとがきにかえて」 この厚い本をここまで読ませてそしてこの最後で、 どうとでも取れるような、ちゃんと読者に正解を提示しないまま、 でも自分達が今までそうであろうと思って読んでた読み方は間違っている、 ということだけは示す後味の悪さ。 ここまで読んでから、この「あとがき…」を読んだ後で、 もう一度最初から読み直せと言うつもりだろうか? 読者はそこまで一冊の本に入れ込める人ばかりでは無いし、 それだけの価値を認めた本ならそうもするだろうが。 後半に行くに従ってだんだんと最初の幻想性が無くなり現実的になっていき、 登場人物は多くなって誰が誰だがよく分からなくなり、 そしてそれでもなんとかここまでたどり着いた最後の最後に 「残念でしたー」とアカンベーをするのが作者の満足なのか? ハー、読後感がすんごく悪いわ。 ということで、前半の良さに免じて50点。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016年09月03日 17時36分55秒
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