ムード歌謡を聴いてるんですよ
BS-TBSの“昭和歌謡ベストテン”っていう番組を見てるんですよ。見始めたきっかけはなんだっけっかな?たぶん、以前にベトナムにいた時に、ご飯食べながら見るのにいいかな、と見始めたんだと思う。日本にいた間はTverでは見れない、衛星放送も見れない、で見てなかったんだけど、今回ベトナムに来てからまた見始めた。今の家の食卓の私の席からはテレビ見えないし、ご飯の時間は怪獣が見てるか、怪獣がご指導に従う時には消してるか、なので見れないのだが、わざわざ録画してパソコンで見てる。あの番組でかかるのは大体演歌なのと、『ブギウギ』見たり(あれは演歌じゃないけど)、紅白見たりとかしてて、昔の曲も含めて、というか主に昔の曲で演歌にいい曲があるので、「ちょっと真面目に演歌聴いてみるか。」ということで、Spotifyで演歌プレイリストを作って、そこに既にある演歌プレイリスト3つ4つの曲をガバッと入れて聴いてみて、気に入った曲だけを残して、約60曲の個人的な演歌プレイリストを作った。演歌って、曲の世界やアレンジ、歌詞などが似たようなのが多くて、まぁその辺が廃れていった大きな要因なんだろうと、つまり飽きられたんだろうと思うんだけど、そういうところに目をつぶって、歌唱にフォーカスして聞くと、演歌の歌手の人たちってホント歌がうまくて、ゾクゾクしてくる事がよくある。特に声の伸びの良さや、声量などがすばらしい。で、そんなことで、曲も厳選したすばらしい曲60曲なのでゾクゾクしながら聴いてたのだけど、聴きながら、「ムード歌謡も聴いてみたいな。」と思うようになった。既存の3つ4つのプレイリストから移植した演歌プレイリストの中にもムード歌謡の曲もあって、それらにもいい曲もあったし、うちの母親が家事とかしながら口ずさんでた曲にムード歌謡の曲が多かったから、原曲を聴いてみたいと思ったのも大きい。というわけで、今度はムード歌謡のプレイリストを作る。ムード歌謡ってイマイチ全体像がよくわからないしいつ頃隆盛を極めたジャンルなのかもよく分からなかったので、Wikipediaさんに訊いてみたら、だいたい昭和20年代の終り頃から30年代に流行り、40年代に入ると演歌に取って代わられていった、とある。なるほど、演歌の方が新しいジャンルなんだ。そういえば昔、『ザ・ベストテン』を見てた頃は必ずベストテンの中に1,2曲は演歌の曲が入ってたもんだ。そうか、演歌ってのは意外にそんなに古いジャンルじゃなくて、その頃が一番流行ってた、比較的新しいジャンル、フォークやニュー・ミュージックと時代的にあまり変わらない頃のものなんだ。ってわけで、ムード歌謡を聴き始めたんだけど、いやぁ、こっちもいいですねぇ。一番好きなのは“和田弘とマヒナスターズ(以下マヒナ)”。ムード歌謡のグループというのは、元々は戦後の駐留米軍相手のクラブなんかで演奏してたところが多いようで、その頃マヒナはハワイアンバンドとして活動してたのが、スチールギターやハワイアンに特有の裏声担当をそのままにムード歌謡に移った、ということでその辺に特徴があるのだが、この裏声の人がとてもいい味を出してる。曲もいいし、今の曲と違って、音数が極端に少ないのが落ち着いていいですね。あとヤラれたのが松尾和子。自分らの世代では“おばさん女優”という認識しかなかったけど、この歌声がすごくいい。落ち着いてるけど色気があっていい、すごくいい。あとは“鶴岡雅義と東京ロマンチカ”のヴォーカルのヨーデルのように時折裏返るのとか、(音的にちょっと後の時代かもしれないけど)“秋庭豊とアローナイツ”とか、殿さまキングスもうちら世代は漫才師みたいに思ってたけどこれもいい。三善英史の“雨”は名曲だし、あまり知られてない名曲としては千葉紘子の“折鶴”などなど、いやぁ、この世界を知ることが出来て良かったです。もし良かったら、みなさんも一度聴いてみて下さい!リクエストがあれば、私の作ったプレイリストもお教えします。あ、演歌とムード歌謡は一緒にして一つのプレイリストにしてしまいましたが。(全140曲、10時間近く)