アジアの言葉まとめ(呼吸について:その1)
先週末、気温が急に下がり出し、とまどいましたが、今日は平年並み?に戻ってたのか、むしろ、やや暖かく感じる晴天でした。11月1日は、十三夜の月でした。中秋の名月、十五夜の満月よりも、やや欠けた状態に風情があると、日本では古来より、中国から来た満月をめでる風習よりも、むしろ尊ばれていた月見だったそうです。その日の夕方は、曇っていましたが、夜半には良くなり、神秘的でした。(参考:2007年の十三夜の月の写真)日本シリーズも、さすがは、セパ両リーグの優勝チームという感じで見ごたえのある試合が続いています。もうすぐ、バンクーバーで冬のオリンピックが開催されますね。昨晩は、フィギュアスケートのNHK杯をテレビで見ました。写真の花は、黄色い小菊です。 白、ピンク系、オレンジ色など、色々な色があります。11月に花が盛りなるそうですが、寒さに強く、冬になっても咲き続けるそうです。(冬菊、寒菊)なお、漢名では、「菊」とは究極や、最終という意味だそうで一年の終わりに咲くことから、名づけられたということだそうです。 アジアの言葉を10カ国以上、韓国語、中国語、ロシア語、タイ語、インドネシア語、ヒンディー語、アラビア語、ヘブライ語、ペルシア語、トルコ語、ラテン語まで、まとめて総合的に比較してみるという企画です。1.文字の比較(7月)2.音声、発音、発声の比較(8月)3.文法、単語(9月)4.語順(10月)と進んできました。今月は、「呼吸」について考察してみます。いつものように、比較表を用意しました。(大体のイメージ)です。アジアの国々の呼吸の比較です。今までの、アジアの言葉の比較や、考察について、ブログの日記で書いてきました。大まかなまとめを、下のHPにのせています。アジアの国々の言葉の比較です。今回、日記で書こうとしている、呼吸については、非常に奥の深い話題となり、とても一度の日記だけで記事にすることは出来そうにありません。そこで、2回に分けて書いてみます。話が拡散しないように、特に、語学、コミュニケーションに関係する部分に重点をおいて、呼吸について、簡潔に、まとめてみようと思います。また、体験、体感しなければ分からない部分については、音声ファイルの入ったHPをリンクするなど工夫して、少しでも分かりやすく書いてみます。突然ですが、日本人が、英語が苦手、という理由は何でしょうか?英語教育に問題があるのでしょうか?島国で、国際感覚が乏しいのでしょうか?書き出せば、沢山出てくるのですが、私は、日本人と英語圏の人たちとは、呼吸の方法が違う、体の構造が違うそもそも、肉体的にも、日本人が、英語をネイティブの発音で話すのは結構無理があるのだと考えています。もちろん、トレーニング次第では、流暢に話せるようになる人がいる、ということは認めますが、一方で、普通の人には、それはストレスがかかり、簡単ではないと思います。異論もあるとは思いますが、私は、そこそこ努力してみた結果、やはり、無理があると、自分で感じるのです。ところで、今までに一度、ブログか何かに、人間の体は、楽器のように出来ているのではないかと、書いたような気がします。(背骨は弦のようなものに思えます)もし、体が楽器のように出来ているとすれば、理解しやすい話になりますが、ピアノに、太鼓の音は出せないし、縦笛で、トランペットの音も出せないし、あえて、出そうとすると、自然には出せないし、仕方が無いから出すという感じで、似たような音しかでないでしょう。その状況が、日本人が、流暢に英語を話そうとする場合と似ているような気がしています。語学と音楽で、共通して”音”の話になりますが、英語は、子音が多い。一方、日本語は、どちらかといえば、母音を重視した音声が基礎となっているようです。音のシステムが違うのです。そこで、日本語を英語に、英語を日本語に訳す場合には、工夫が必要です。例えば、洋画の映画の字幕を日本語で作成する場合に、問題となることなのですが、英語に比べて、日本語の方が、同じ字数の場合、発音するのに時間がかかるため、字幕のように、読む時間に制限がある場合には(ワンシーン4秒?が限度だとか)、日本語をかなり削る必要があるそうです。つまり、英語と同じ内容のことを、短く切り詰めないと、日本語は、英語のスピードにはついていけないのです。話があまり逸れない内に、元に戻ります。英語を日本語のように、自由に話すには工夫をしないと難しいということです。人間の体を楽器に例えて言うならば、自分の持った波長と違う音は出ない、ということです。もちろん、努力でカバーできる部分もありますが、年をとるにつれて面倒になります。本質的には、難しいのです。そもそも、音を出すのは、体(のど、肺、胴体、おなか、横隔膜など)です。体を変えないと、英語を流暢に話せるようには、なかなかなれません。さらに言うと、私達は、一日中言葉を話しているわけではありません。一日中していることで、言葉と関係を持つ、体の営みには、呼吸があります。ですから、言葉のことを考える準備として、まず呼吸について、もう少し考えて、英語を流暢に話すことについて考えて見るのは良いアイデアかもしれません。これから、呼吸について考えてみます。日本語のように、母音を大切にして発音しようとすると、どうしても腹の底から声を出したくなります。すると呼吸は、自然に腹式呼吸になります。英語のように、子音で、滑るように発音しようとすると、いちいち、一音節ごとに、腹から発声をするのではなく、一呼吸、大きく吸って、吐き出すように連続音を出すか、浅い呼吸で、体のより上部から、声を出したくなります。そうなると、呼吸は、自然に胸式呼吸に近くなります。単純に、体の部位から、腹式、胸式と分類するのは、呼吸法の話からいうと大雑把過ぎるのですが、イメージとしてそう言う感じでないでしょうか。呼吸から、意識して変えるくらいの気持ちがないと、ネイティブ並に話せるようにはならないということが、何となく感じられます。では、日本語と英語を比較しましたが、今度は、同じ手法で、アジアの言葉を比較して、考察してみます。アジアの言葉を勉強する上で、英語と同じように、その呼吸と言う部分から調べておこうという意味です。アジアの他の言葉はどうなっているでしょう。やはり大まかに見てみます。8月に、音声、発音、発声の比較というテーマで日記を書きました。日本人にとって、ある外国語が話しやすいかどうか、というひとつの基準は、その言葉が、日本語と同じように、子音+母音のセットになっているか、そして、その際に、母音がはっきり発音されているかどうかが、大いに関係するように思えます。そしてそれは、日本人と同じように、その国の人々が、腹式呼吸に近い呼吸をしているかどうかによるのではないかと考えています。日本人にとって話しやすい、発音しやすい、言葉のグループを、仮に腹式呼吸グループとしてみました。腹式呼吸グループは、日本語、韓国語、インドネシア語です。一方、英語のように、子音を巧みに使い分け、器用に発音するグループを、仮に胸式呼吸グループとしたら、胸式呼吸グループは、(英語)、ロシア語などです。腹式呼吸は、日本では古来より、能を舞う時、鼓を打つ時の掛声に使われている呼吸法です。腹式呼吸と同じように、歴史が古い呼吸法で、中国の太極拳で使われている呼吸法が、逆腹式呼吸法です。腹式呼吸のように、胎の底に吸った空気を入れますが、吸った時にお腹(上腹部)をへこませ、吐く時には、お腹(下腹部)を膨らませます。ちょっと簡単そうに見えませんが、イメージでは、胸式呼吸と、腹式呼吸の中間のようなもので、やや胸式呼吸に近いそうです。腹圧は保ったままになります。中国語は、表記は漢字なので、一見日本と同じ腹式呼吸系に見えますが、日本人には、発音しにくい言葉です。しかし、かといって、英語のように、子音に重きをおく言葉でもないのです。そこで、逆腹式呼吸という分類にしてみました。もう一つ特徴的なグループを呼吸法の分類に加えてみました。それは、鼻を使う呼吸法です。日本人にとって、大きく吸って、吐いてというと、多くの人は、口を使って、息を出し入れするかもしれません。特に、スポーツをすると良く分かると思いますが、口で息をした方が、息が上がったときには楽に感じます。それは、私達が、口を使って呼吸をすることに慣れているからです。しかし、インドにその長い歴史を持つヨガでは、鼻から吸って、鼻から出す呼吸法を主に使います。鼻呼吸です。実際に、インドのヒンディー語を話してみると分かりやすいのですが、何となく鼻にかかったような発音です。こうした、鼻に重点を置いた呼吸法のグループを、仮に鼻呼吸グループとすると、ヒンディー語、そして、タイ語が近いと感じます。タイ語は、中国語を同じ、四声の声調(タイ語は五声)を持っているので、中国語に近いかと思えますが、私には、ヒンディー語の響きを感じます。ペルシア語、ヘブライ語、アラビア語、そして、トルコ語、ラテン語は上の腹式、逆腹式、胸式、鼻式のどちらにも入らないような感じです。ただ、ヘブライ語、アラビア語は音声的に、似ています。また、ペルシア語とラテン語は、ペルシア語が、中東のフランス語と呼ばれ、またフランスはラテン民族の国だと考えると、ラテン語の発音と似ていなくもない、という感じです。トルコ語は、発音してみる実感出来ると思いますが、英語のように舌がもつれそうになる、子音を多用する部分と、日本人が発音しやすい、2面性を持つ、不思議な言葉です。こうして大まかにですが、呼吸法で、アジアの言葉を分類してみました。言葉を勉強する上で、事前に参考にしてみると、役にたつでしょうか。次回は、今まで、多少強引に分類してきたアジアの呼吸に関することですが、今度は反対に、アジアに特有というべきか、混沌とした、アジアの発音、発声の世界に踏み込んで見ます。ヨガのチャクラ、武道の丹田の話などやや、拡散する方向の話をしてみます。