アジアの言葉まとめ(語順について)
今日は、中秋の名月、十五夜の月です。昨晩、大阪は、夜間にすごい雨が降りだめだろうなあと思っていました。朝起きると、天気がよく、回復傾向にあるそうなので、月を見ることが出来るかもしれません。2016年夏のオリンピックは、ブラジルのリオデジャネイロで開催されることになりました。リオデジャネイロ・・・正しく発音すると舌がもつれそうですし、キーボードでも打ち間違えそうです。写真の花は、ムクゲ(木槿)です。白など、色々な色があります。一日花で、朝の3時頃に開花し、夕方には、しぼんでしまうのだそうです。、韓国の国花です。 7月から、アジアの言葉を10カ国以上、韓国語、中国語、ロシア語、タイ語、インドネシア語、ヒンディー語、アラビア語、ヘブライ語、ペルシア語、トルコ語、ラテン語まで、まとめて総合的に比較してみるという企画を続けてきました。1.文字の比較(7月)2.音声、発音、発声の比較(8月)3.文法、単語(9月)と進んできました。今月は、「語順」について考察してみます。いつものように、比較表を用意しました。(大体のイメージ) アジアの国々の語順の比較です。今までの、アジアの言葉の比較や、考察については、ブログの日記で一度に書きにくいので、下のHPにしてあります。アジアの国々の言葉の比較です。語順については、単に、どの品詞をどのような順番で並べるか?という文法の規則としての話以外にも、文中のどこに、強調をおいて発音をするのか?という部分に関係するので、その言葉を聞いた時の印象にも影響します。つまり、語順とは、単に「文法」だけの話ではなく、先々月の内容であった、「音声、発音、発声」の内容にも多少関係があるということです。例えば、「私は、ご飯を食べる。」という文の場合、主語(私は)+目的語(ご飯を)+動詞(食べる)のように、S(主語)+O(目的語)+V(動詞)の順番になっている言葉は、韓国語、ヒンディー語、ペルシア語、トルコ語、ラテン語です。もう少し、詳しく書いてみますと、日本語、韓国語、トルコ語は、語順が酷似しているため、ウラル・アルタイ語族であると言われています。一方、インド人(ヒンディー語)、イラン人(ペルシア語)は英米と同じアーリア人です。しかし、語順では、日本語と同じなのです。S+O+V型の文型の場合、聞いた感じがやや、のどかな感じになります。例えば、ラテン語を聞くと英語よりものどかなで素朴な感じがします。聞いた印象に、語順が影響している可能性は少なからずあるでしょう。一方、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)の順番になっている言葉は、中国語、タイ語、インドネシア語、アラビア語、ヘブライ語、ロシア語、英語です。以前に、まず覚えるべき単語の中でも、「動詞」が大事であると書いたことがあります。動詞は、言葉の主役です。特殊な例ですが、アラビア語のようにアジアの言葉では、主語が省略されている場合がありますが、動詞の語尾を主語の人称や数によって変化させることで補っていることがあります。そうした意味でも、動詞は欠かせません。文の中で、重要な位置をしめます。その、動詞の位置により、その言葉を聞いた印象も、変わってきます。まず、文の中核となる「動詞」が、S(主語)+O(目的語)+V(動詞)のパターンの言葉の場合は、動詞が後ろにくるので、最後まで、聞かなければ、ポイントが伝わりにくいのですが、聞いた時には、穏やかな調子に聞こえます。一方、文の中核となる「動詞」が、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)のパターンの言葉の場合は、動詞が前の方にくるので、動詞を強く発音し、はっきりと発音される傾向があります。このパターンの場合には、動詞の後に目的語や、場所などを続けるための、前置詞(~を、~に、等)に相当するものが必要になります。前置詞相当句の後に、目的語が入るので、前後の言葉(動詞、目的語)には強、弱(前置詞)をつけて話されます。この場合、動詞が文の前の方にくるので、言いたいことの、ポイントはすぐにつかめるめるのですが、耳には、ややきつく聞こえます。タイ語、インドネシア語、は文法がシンプルです。もしも、タイ語、インドネシア語の語順が、日本語と同じで、S(主語)+O(目的語)+V(動詞)のパターンだったら、名詞、動詞、形容詞の変化も少なく、特にインドネシア語は、表記も英語と同じアルファベットなので、非常に学びやすい言葉だったでしょう。タイ語は、中国語が、四声と呼ばれるイントネーションを持つのと同じように、五声を持つように、音声や発音において、中国語との関連が深いと思われます。(文字体系は、インド系のデーヴ ナーグリー文字ですが・・・)中国語は、表記は漢字ですし、もしも語順が、日本語と同じであったら、ずい分と、勉強しやすかったでしょう。今月は、語順と、言葉と聞いた時の印象についてまとめてみました。ところで、日本人にとって、一番学びやすいアジアの言葉とは、何でしょう?トルコ語や、ペルシア語が、比較的日本人にとって、学びやすいのは、語順が日本語と同じで、かつ、名詞、形容詞の変化がないからです。耳にもやさしく聞こえます。願わくば、動詞の変化がなければ、もっと良かったのですが・・・。こうしてみると、韓国語は、語順も日本語と同じで、かつ、名詞、動詞、形容詞の変化がないので、学びやすいのですが、表記がハングル文字だというのが壁になります。惜しい!語順を考える時に、重要なのは、動詞の位置です。とにかく、”何をしたいのか”これを先に言うべきか、言わないべきか、国民性でも変わってくるようです。別の例えでは、食事をする時に、好きなおかずに先に手を伸ばすか、後においておくか?そうしたことで、人の性格も判断されるように、語順というものでも、国民性が推し量れるような気がします。パレスチナでは、長い争いが続いています。当事者のイスラエルは、ヘブライ語、アラブ諸国は、アラビア語。共にSVOの文型です。そして、介入している英米は、もちろん、SVOですね。中国もそうです。意見は違っても、言葉の文型、そして聞いた印象などは似ているということです。複雑なアジアの言葉でも、文型という切り口で大きく2つの分類が出来ました。語順と、その言葉を聞いた時の印象と言えば、その裏を返せば、発声した時の体にも、知らない間に影響を与える要素でもあります。発声する時に、体や、脳への影響も、意外に大きなものがあると考えられます。言葉と国民性の関係は、心と体、呼吸との関係と同じくらい深いものではないかと思っています。そうしてみれば、語順は国民性を大いに反映しているのと同時に、語順によってその国の雰囲気や特徴も、形作られるものだ、ということではないでしょうか。