まてぃの徒然映画＋雑記

ふーん、へーって感じ。

ヴィクトリア湖畔の町、ムワンザにやってくる貨物飛行機。ムワンザではナイルパーチの加工業が盛んだ。魚を漁師から買い上げ、おろした状態でヨーロッパや日本に輸出する。ナイルパーチ加工場の持ち主は金持ちになる。一方で人々は割のいい仕事にありつくために村から町へと出てくる。でもみんなが仕事にありつけるとは限らず、貧困が広がる。貨物機のパイロット相手に売春する女性、そして村から町へでてきた人を相手に売春する女性。ＨＩＶが蔓延し、毎月10～15人の死者が出る村もある。残された子供はホームレスになり、食べ物にも事欠き学校へも行けない。ナイルパーチの身は輸出され、頭や骨などを現地で食べる。

またナイルパーチは生態系にも多大な影響を及ぼし、もはやヴィクトリア湖の生態系は壊滅寸前だ。ムワンザにやってくる貨物機には来るときに武器を運んでいる疑いがある。ヨーロッパから兵器をつんでやってきて、魚を積んで帰る貨物機。その武器がタンザニア周辺の国に流れ、紛争は続く。「戦争があれば金が稼げる」と警備員は言う。ＥＵは誇らしげにタンザニアの発展に貢献していると嘯く。こんなにナイルパーチがいても、なぜか国内では飢饉の恐れ。こうして何かがおかしいまま、日々は淡々と過ぎていく。。。


疲れていたのか、興味がなかったのか、つまらなかったのか、原因はわかりませんがあんまり集中して見られませんでした。二世代くらい前の資本主義を見た感じ。いや、これが資本主義社会のグローバリズムの真の姿なのかも。僕らが何気なくスーパーで買ってる白身魚のフライの背後にはこんな醜い現実がある。頭ではわかっていても、買うことをやめられない無力な自分。

村で蔓延するＨＩＶ。その死者数を深刻に語る牧師。原因は売春とわかっているのに、コンドームの使用を勧めることは教義上許されない。なんかおかしいよね。日本は宗教にあまりに無関心で、よく言えば寛容だけど、なにも知らなさ過ぎる。アフリカは敬虔なキリスト教徒が多くいるから原理主義っぽくなっちゃてるんだろうけど、キリスト教を伝えたヨーロッパはもっと寛容になってるよ、と言いたい。

むごい事実がヴィクトリア湖畔だけでなく、多分全世界の貧しい地域で起きているんだろうけど、そのむごい事実を晒しただけに留まっている。自分が白身魚のフライを買わなくても、彼らの貧困は救えない。既にグローバルな資本主義システムに組み入れられてしまっているから。この映画は結局何が言いたかったんだろう？心にもやもやが残ったなぁ。

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1/20　チネチッタ川崎