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まてぃの徒然映画+雑記

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2007.02.25
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カテゴリ:中国映画
文革直後のある家族の物語。

長男のウェイクオは、軽い精神疾患を患っていて、特に両親は体の大きいウェイクオを心配している。長女のウェイホンは、感受性豊かな夢見がちな少女。次男で末っ子のウェイチャンは高校で勉強している。そんな3兄弟と両親の日々の生活を淡々と、でも印象的に3部作のような形で描いている。

ウェイホンは、瓶洗いの仕事も保育所の仕事もつまらない微妙な年頃。そんな彼女が落下傘部隊の将校に恋をして入隊を志願するも不合格。そこで彼女は自分で落下傘をつくって、自転車につけて町中を駆け回るのだ。
夢破れた彼女は、ご飯を食べなかったりアコーディオン弾きのおじさんと遊んだり。そして新しい仕事につけるかも、という希望を持って偉いさんの運転手と結婚して家を出る。

ウェイクオは心優しい青年。何にでも一生懸命だけど、ちょっと抜けていて友人からはからかわれたり苛められたり、いいように使われている。友人のために製粉工場で仕事をしても煙草一箱もらっておしまい。肉の保冷庫では中に同僚がいるのに鍵を閉めてしまい、同僚が凍傷になってしまう。銭湯ではもらった煙草に爆竹が入っていて、火をつけた途端パン!と爆ぜる始末。でもそんなウェイクオを両親は大事にし、ちょっと足の悪い農村の嫁をみつけ、所帯をもたせる。しっかり者の嫁ジンズィは、二人で屋台を始める。

ウェイチャンは多感な年頃。兄と一緒に銭湯へいって兄がからかわれたときには、パンツ一丁で家まで走っていって知り合いの兄ちゃんに報復してもらう。兄が傘を届けに来たときには、兄が痴漢扱いされるなか傘で兄の脚を突く。そして殺鼠剤を入手し、一時は兄を殺そうと思いさえする。そんなウェイチャンも女性の裸の落書きが父に見つかり、強制的に退学させられてしまい、家を出る。

そして数年後、ウェイホンは離婚し家へ舞い戻っていた。ウェイクオの屋台は大繁盛し、今では人を使っている。ウェイチャンは連れ子を持つ女性と帰ってきたが、ヤクザな雰囲気に大変わり。嫁に場末の演芸場で歌わせて養ってもらっている。

そんな一家の物語が始まるのは、決まって家の前の廊下での食事から。最初は5人だった家族もウェイホンが結婚して4人になり、ウェイクオが結婚して3人になり、ウェイチャンが出てって両親の2人だけになる。でもまた二人が舞い戻り、今度は6人で食卓を囲む日々。。。


淡々と描かれながらも、精神障害の兄を思う両親の気持ち、それに対する姉弟の葛藤、今の生活を逃れようと淡く思っていても舞い戻ってしまうやるせなさが、はっきりと映し出されている。現代とは違う、文革直後で改革開放路線が始まる前の中国の田舎町。そこで生きる人たちの普通の生活。

心にずしりとくるものがあるわけではないけれど、つい見入ってしまう。日常の中でたくさん起こる小さな事件。その小さな事件一つひとつで一本映画が作れてしまうかもしれない。そうした印象的な事件を淡々と連ねる手法に感じ入ったのかな。さすがは「紅高梁」や「覇王別姫」で撮影監督をつとめた顧長衛監督。初監督作だというのに、ベルリン映画祭で銀熊賞。やはり張芸謀や陳凱歌といった大監督と一緒に仕事をしていたから、その技術や心意気を盗んできたのだろう。

そして鮮烈な映画デビューを果たした張静初。その眼差しが、ウェイホン役に非常にはまってました。中国では「ポスト章子怡」と呼ばれているようだが、「七剣」にも出演していたなんて、、、知らなかった。

また一つ、新しい中華の才能を発見できた良い映画でした。

2/24 渋谷Q-AXシネマ







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最終更新日  2008.03.23 16:45:23


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