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まてぃの徒然映画+雑記

2011.01.05
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カテゴリ:その他の映画
レバノン戦争に従軍したイスラエルの戦車兵4人を描く、09年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。

画面は狭い戦車内部と、砲撃手のスコープから見た映像のみで構成される。イスラエルは徴兵制度をとっているから、戦車に乗っている4人は恐らく職業軍人ではなく兵役でやってきた人たちだろう。優柔不断な指揮官のアシ、反抗的な弾込め役のヘルツル、気弱で引き金を引けない砲撃手のシムリク、除隊間際の操縦士イーガル、この4人を中心に映画は進む。

狭い戦車内部は、息が詰まるほどの狭苦しさで、床にはどこか配管が漏れているのか、水たまりができている。彼らは司令部からの命令で、まず道路封鎖の任務につく。しかし、一台目の車に対してシムリクは現場指揮官ジャミルの命令どおりに発砲できず、味方に犠牲者がでてしまい、搬送ヘリがくるまで戦死者の遺体は戦車の中に収容される。

味方の犠牲を目の当たりにして、二台目には躊躇なく発砲するが、その車は現地農民が鶏を運んでいたトラックだった。瀕死の重傷を負った農民をシムリクのスコープが捉える。

引き続き、空爆した市内を制圧する作戦に従事する。ビルの中で一般人を人質に立て籠もる敵に対して砲撃命令が下るが、スコープから人質が見えてすぐには撃つことができない。砲撃の後、娘を亡くして取り乱し、イスラエル軍に食ってかかる女性をスコープは克明に写し出す。

ヘリが遺体を収容するときに感じる死体の重さと手や服に残る血糊、戦車の床に流れ出た血が溜まっている。安全だと思われた市内だったが、敵兵からロケット弾の直撃を受けて戦車に大きな衝撃が走り、内部では食料が飛び散る。撃ってきた敵兵は味方が捕虜にして、戦車に収容する。外装に被害は受けたが、幸いなことに機械的な損傷はない。しかしスコープ画面にはレンズが割れた形跡が残り、汚れた内部もそのままだ。

どうやら部隊は敵の支配地域に誤って入ってしまった様子で、しかも戦車のエンジンがかからない。動かない戦車に苛立つジャミルは、イーガルに怒鳴り散らしてエンジンをかけさせ、再び戦車は動き出す。

そして夜、協力者の先導で部隊は敵支配地域からの脱出を図る。。。


視界はスコープだけ、後は狭い戦車内の閉鎖空間という極限状況で、徴兵された一般人が職業軍人の指揮の下、最前線に直面する。外部の状況はスコープと無線を通してしかわからず、何が起きているのか把握するのに時間がかかり、観客も戦車内の彼らと同じ環境に置かれて追体験をしているかのようだった。

視界の狭いスコープが上下左右に動き、時には遠く離れた対象をアップにして、戦車の眼と同化した感覚を覚える。そして狭苦しい戦車内でのゴタゴタ。遺体は入るは捕虜は入るは、指揮官のジャミルは外からやってきて、高圧的な指令を出して外に戻っていき、中では鬱屈した雰囲気が溜まる。敵中にいるとわかったアシは、突然ひげを剃りはじめて、まるで最期の身支度のよう。

除隊間際のイーガルの願いは、母親に自分の無事を伝えること。ジャミルは最後の司令部との無線でイーガルの無事を連絡するが、そのとき戦車は攻撃されて、イーガルが戦死するという戦争の無情さ。

レバノン戦争を題材にした映画は『戦争でワルツを』を観たが、この作品の監督も実際にレバノン戦争に従軍していて、自身の体験を元に映画化しているようだ。実体験が元になっているからこその手触り感というか、手の届く感じというか、等身大の戦争の姿が、スコープ映像と戦車内の描写と合わせて、リアルに感じられる。

最後のひまわり畑ではなんと大きな解放感を得られることか。

12/30 シアターN渋谷

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最終更新日  2011.01.07 00:11:00

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