アジアンスカイ　咲庵風流記

オイラが海外に行っている間に、なぜか巨大台風はやってくる。

去年の９月もオイラの留守中（バンコク滞在中）に台風がやってきて
数１００万円分の被害をオイラの実家へもたらした。

そして今年。
オイラ自身に災いが降りかかってしまった。
といっても、そんなにたいしたことないんだけど。

バンコク最終日、ご近所の姐さんから携帯にメールが。
「広島に台風が直撃するけど、帰ってこれる？」

「まあ、なんとかなるよ」と返信したものの、気になってホテルの
ＢＳを見てみると、
「超大型で・・・台風が九州を直撃・・・」
とか言っていた。

そうは言ってもＦＩＸチケットなので、バンコクのドンムアン空港
に行くと、何のアナウンスもなしにチェックイン完了。
トランジットのために、ベトナムのタンソンニャット空港へ。

すると半ば予想通り、「ディレイド」とのアナウンスが。
機内で読んだ本に「スノッブなアメリカ人のするオーバーなリアク
ション」というのがあったので、すかさずまねしてやってみた。
ベトナム航空のスタッフは、大変すまなそうな顔をしている。

「君達が悪いんじゃないのはわかっているよ、悪いのはお天気ね！」
というと、安堵した様子。

悪天候による遅れが生じたときに、ＪＲや空港職員に食ってかかる人
たちをＴＶで見たりするが、はっきり言って自己責任だよ。
これだけ情報網が発達している昨今で、それらを予測できないあんた
達がアホすぎる。

さて、話を元に戻そう。
詳細を聞くと１０時間遅れで福岡に着くとのこと。
朝１０時に出発するので、今日は再入国してくださいとのこと。
「あれ？でも、２度入国できたっけ？」と思ったが、さすが社会主義
国。ベトナム航空の職員はイミグレーションを無審査で通過できるよ
うで、付いていって通常の入国手続きをすると、簡単に通過できた。

というわけで、ホテルへ行くことになったのだが、ディレイなんて
初めてなので、いまいち状況がつかめない。
いつもは＄７のホテルに泊っているので、こんなときに普通の日本人
が使うような＄５０委譲するホテルに案内されるとたまったもんじゃ
ない。

「誰がホテル代を払うの？君の会社？」
と聞くと、
「心配しないでください、全部コチラで持ちます」
とのこと。

そして連れられていったホテルは、なんと４つ星ホテル。
しかも２食付。
ひさびさに設備の行き届いたホテルに泊りまった。
やっぱり、いいものはいい。

遅い夕食を付属のレストランでとる。
すでにビュッフェタイムが終わっていたこともあり、
「この中からお好きなコースをお選びください」とのこと。
ということで、ベトナム料理のフルコースを堪能。

翌朝、朝食ビュッフェをとった後、フロントから電話が。
「更に１２時間ディレイが生じました。お昼と夜分のミールクーポン
を取りに来てください」
とにこと。

「まあ、そうだな。台風の速度が遅いし、まだ九州にとどまってるし。」
すでにディレイが予定調和になっているので、すんなりと指示に従った。

フロントへ。
すると、他のお客さんへは日本語で説明をしていた。
「さっきは１００％ベトナミーズ・イングリッシュだったぞ、オイ！」

どうも最近、以前ほど日本語で話しかけられなくなっている。
確かにパスポートのスタンプは増えたけど、その数に英語力が比例して
入るわけじゃないんだよ！
シンガポール人に違いないと思っている人も多いのだけど、人口比率か
らいって、シンガポール人なんて、なかなかいないだろといつも思う。
タイなんて、英語さえ使ってくれない人もいる。

すっかり朝から暇な人になったので、ベンタイン市場にでも行こうかと
おもったが、せっかくだからご近所の散策でもしようとぶらぶらした。
１区とはずいぶんと様子が違って、カラフルで豪奢な家が多い。
車もランドクルーザーやＢＭＷなどが並んでいる。
どうやら金持ち地帯のようだ。

思いっきり暇なので、カフェでぼーとしたり、子供とフルーツを取った
りして、暇ぶりを満喫。
名所旧跡もいいが、こういったローカルな人とのふれあいが一番楽しい。

そうこうするうちにディナータイム。
ホテルへ戻る。
ディナー後、予定通り空港へ。
すると更に２時間のディレイ。
結局２４時間ずれてしまった。

台風の影響ということもあって、名古屋・大阪･福岡・インチョン・プサン
便のお客ばかり。必然的に日本人と韓国人だらけだった。

それにしても、ベトナム航空はとんだ災難だったのではないか。
２日分の宿泊と食事を余分に顧客に供給しなければならなかったのだし
オーバーウェイトの荷物を持ち込もうとした、都合の悪い時はことさらに
英語がわからないというふりをする日本人に、「今回だけは見逃して！」
と言われたり。（オイラのことか：結局２０ｋｇオーバー分をこっそり
負けてくれた）

帰りの機内は、お客もスカスカで、３列シートをベッドのようにして使う
ことができたので快適だった。


教訓：風吹けば桶屋は儲かるが、航空会社は損をする。