2023/04/02(日)04:32
垣谷美雨「老後の資金がありません」
この小説は映画化されているので知っている方も多いでしょうね。
主人公後藤篤子さんは、娘の結婚式のことで悩んでいた。
相手は金持ちのお坊ちゃん、娘が肩身が狭くないよう結婚式に
600万も出すという夫。
定年まであと3年しかないのに預金は、一千二百万円。
一生懸命真面目に働いていたパートはクビ。
そして舅が亡くなり、葬儀代は俺が長男だから「うちが持つ」という夫。
残った姑の生活費はどうするの~?
いくら篤子さんがキリキリして悩んでいても、夫はのんびり鷹揚に
構えている。
定年まじかの50代夫婦の老後の心配をリアルに描いていて面白かった。
私がこの本を読んだときは、老後の暮らしも年季が入っていた時だった
ので、なんとなく「おかしみと悲哀」もうんうんと頷けるものだった。
解説の室井佑月さんが、生活の不安に勇気とヒントをあたえる
家計応援小説と書いています