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本の虫の読書ノート

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2024.08.31
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カテゴリ:ミステリー
中山七里さんの東日本大地震を舞台にしたサスペンス「境界線」を読みました。
2011年の大地震から既に13年過ぎた今、この作品は様々なことを問いかけている。




2018年5月29日、気仙沼市南町の海岸で女性の遺体が発見された。
7年前の東日本大震災で行方不明になった女性の運転免許書を持っていた。

その名前は、宮城県警捜査一課警部・笘篠誠一郎の妻の名前と一致した。
しかし、笘篠が現場で目にしたのは、妻ではなく見知らぬ別人だった。

笘篠の脳裏に浮かんだ、別のところで妻は生きていたのか?という思いは消えた。
女性が持参していた免許書は偽造したものと判明、個人情報の流出の疑いが浮かんだ。

しかも、女性は自殺らしいという線が強まり、捜査は簡単に幕を下りそうだった。
笘篠が妻の名前をかたっていた遺体の身元を探っているうち、さらに事件が起きた。

あの東日本大地震の発生直後の段階で行方不明者は、一万人を超えていたそうだ。

東日本大震災のことは、テレビの映像から驚愕しながら見つめていた。
とても現実に起こっていることとは思えなくて、映画の一シーンかと思った。

実際にあった災害を余すことなく描きながら、戸籍売買の裏ビジネスを絡め、
人の弱みに付け込んで生きる悪い奴ら…読んで虚しさを感じてしまいました。

「どんでん返しの帝王」といわれる中山七里さんの他の作品と違って、
この作品のどんでん返しは…主人公は「大震災」と思えた事でした。


そして、あの震災のことは決して忘れてはいけないことだと思いました。













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Last updated  2024.08.31 07:10:18
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