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本の虫の読書ノート

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2024.10.25
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カテゴリ:時代小説
澤田瞳子さんの「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」を読みました。
難しい漢字を使っているので覚えるのが大変でしたが、面白かったです。


与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記 (光文社文庫) [ 澤田瞳子 ]

聖武天皇は、近江紫香楽京に大仏造営の詔を出しました。
仏教によって国を鎮めようとしたのです。

諸国から造営所に徴発された人々には、命懸けの労苦の連続でした。
主人公・真楯も故郷からもう一人の仲間と徴発された若者でした。

信仰心など一かけらもない人々の労苦からくる人間不信、
複雑な人間関係…揉め事の堪えない仕事場。

そんな中、真楯達の炊屋の主人・宮麻呂が作る料理は、最高に旨いのです。
特に食材のための労苦を厭わない彼の料理は、疲れ切った心も癒しました。

奈良時代、東大寺の大仏造営事業に駆り出された人々の労苦の舞台裏と、
旨い料理に命を懸けた炊屋の宮麻呂という人物の謎を織り交ぜた作品です。

一膳の飯が人の気持ちを優しくするが、仏は人を救うのか?
そんな問いかけが聞こえてきそうな物語でした。

「星落ちて、なお」で直木賞を受賞しています。













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Last updated  2024.10.26 07:00:29
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