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本の虫の読書ノート

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2024.11.17
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カテゴリ:小説
北海道で生まれ育った、乾ルカさんの「花が咲くとき」を読みました。
札幌で暮す小学6年生の夏休みの冒険旅行~親からの逃避行の旅。



小学6年生の瀬川大介は、隣に住む偏屈な老人を観察するのが唯一の楽しみだった。
その老人・佐藤北海には指が2本なく、近所からも恐れられる存在だったのだ。

大介は成績も振るわず、いじめっ子のいる学級で目立たない存在で友達もいなかった。
彼は、いじめっ子たちにズボンやパンツまで脱がされそうになった屈辱も抱えていた。

大介は、ガミガミいう両親やいじめっ子のいる学校、鬱咳している気持ちを持て余し、
隣の北海が大事にしている貧弱な樹の花芽を摘み取るのが秘かな楽しみだった。

小学生最後の夏休みは、屈斜路湖のキャンプに両親と3人で行くことになっていた。
しかし、成績が悪いことで親と喧嘩になり、楽しみにしていたキャンプも中止。

大介は家出をしようとバックに着替えを詰めて、小遣いを貯めた10万円を持って
家を出ると、北海が大事にしていた樹に白い花が咲いているのに気がついた。

そして、いつもとは違ってきちんとした身なりでボストンバックを持っている北海、
家の前の軽トラック…大介はとっさにその軽トラックの後ろの荷台に乗り込んだ。


家出した少年が老人から見せられた世間、出会った人の優しい思いやりや親切な心配り、
父親が言う「勉強できないといい会社に入れない」という価値観とは違う生き方の人たち。

ストリップを見せられ、踊った人から得られたいじめの傷からの解放、ダンプの運転手、
包丁とぎをしながら車であちこち移動する人との出会い、旅は少年の好奇心を刺激した。


なぜ佐藤北海は、花が咲いたから旅に出たのだろうか?誰に会いたくて旅に出たのか?
いろんな謎が解っていく中で、大介は最後に「戦争のこと話して」という問いになった。

老人の数奇な運命、戦争が起こした家族の悲劇、戦後の日本、昭和の高度成長期、
大介という少年が北海という老人を通して、戦争・戦後の悲劇を知る旅となった。

いい人ばかり出てくるわけではなくて、自分が助かりたくて嘘で裏切る人もいました。
でも、全体的に爽やかで、少年が大人からいろい学んで成長していく好奇心が眩しい。

この小説の題名の白い花は、くちなしの花です。



種が食べられるそうで、食料としてもらった種を北海が植えたのです。
その種をくれた人が、自分が助かりたくて北海を裏切り、終生苦しむのです。
【中古】 花が咲くとき/乾ルカ(著者)





友人からプレゼントされた、シャコバサボテンが咲き出しました。
何年も土変えもしないのに、毎年綺麗な花を見せてくれます。



名前はシャコバサボテンではなくて、長い間シャコサボテンと思っていました。
冬に向かって咲く花は、気持ちを明るくして、長く楽しめる花です。


【花色で選べる】シャコバサボテン「蝦蛄葉サボテン」5号鉢植え (h28)








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Last updated  2024.11.17 07:04:17
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