捨てられないパソコンテレビ
世間では「3R」が盛んに推奨されていて、自宅の付近にも毎日「何でも回収いたします」というトラックがやってくる。家電品のように修理して使うものだけでなく、タイヤやホイールのようなもの、あるいは鉄くずまで。まさに、リワーク、リユース、リサイクルだ。おそらく種類ごとにコンテナにつめられ東南アジア諸国に輸出され第2の人生を送るのだろう。中でも歓迎されるのが20インチ以下のリモコン付きブラウン管テレビらしい。小型のテレビは早くから東アジア諸国に製造拠点が移っていたのであちらには専用ICを含めパーツが潤沢にあるのだそうだ。 私も実は15インチのパソコンテレビを捨てられずにいる。NECのPC-TV454というモデルで1989年製。EPSONの98互換機PC-286VEH40と同時に(1年ローンで)購入したものだ。アナログRGBマルチスキャンでRGB端子はアナログ15ピンと9ピン、デジタル角形8ピン、アナログ21ピンを装備し、変換コネクタを使えばVGA表示まで可能。しかもビデオ入力2系統にS端子付き、テレビチューナー内蔵という『これ1台で全部OK!』というモニタなのだ。ドットピッチは0.35mmで当時はこれに繋がらないパソコンはほとんど無かった。価格も豪華で\128,300!!!(上位モデルのPC-TV455は\158,000) しかし製造から20年経ち、ブラウン管は中央部にうっすらとヤケができ、コンデンサは劣化、抵抗は熱により絶縁体になりつつある。そのため垂直振幅波形がつぶれて画面がひしゃげ、一部折り返し表示になっている。修理にはコンデンサ数個、抵抗数個が必要。できれば絶縁が悪くなっているだろうフライバックトランスと蛍光体があせたブラウン管も交換したい。しかし残念ながらもうブラウン管の新品は日本では手に入らないのだ。さすがにMZやX-1TurboIII、PASOPIA7などはとっくに廃棄したのでデジタル8は無用だ。使うのはせいぜいMSX、スーファミ、メガドライブ、NEOGEO、初代PSのアナログRGB21ピンだけだ(って結構あったな…汗)。でもこれらはコンポジットビデオアウトがあるし、電波新聞社の変換アダプタを買えばVGAになるしね。 このまえやってきた画面なし液晶一体型パソコンが修理できたらそれがテレビ代わりになる。そしたらこのスーパーモニタ(笑)は東南アジアへ送り出そう。全回路図と純正リモコンもセットで。もし「修理して使いたいぜ!」と言う方がいれば着払いでお送りしますよ。 さて、修理のお話。メーカー保証が切れていて、しかもなんだか物理的に壊れているような機械はメーカー修理すると「新品買った方が安いんじゃないか?」ってことが多々ある。プリンターなどはその最たるもので先日某有名メーカーのカラーレーザープリンタの「通販特価」の案内が届きその価格に驚いた。 A4ではあるがカラーレーザーが\14,800。ドラム、トナーセット、LANまで装備している。一昔前ならゼロがひとつ多いはずだ。メーカーのサイトで調べてみると確かにモデルチェンジ直前らしい事はわかったのだが、性能的には十分なもの。そしてさらに驚いたのは消耗品の価格だ。ドラム\9,000、トナー各色\8,000。つまり、本体に内蔵される消耗品の価格が合計で\41,000!!。 消耗品セットを安く買うと、予備のプリンタ本体が付いてきますよ。 発売当時は一体いくらで売られていたのかは知らないが、経済ってこういう事なんでしょうか。まー、売れ残った在庫を捨ててしまうよりは環境に優しいのかもしれないけど。その\14,800に躊躇した今の自分…。経済ってこういう事なんですよね(笑)。