テーマ:旅のあれこれ(10282)
カテゴリ:紀行 ペルシャ・フェニキア
なすすべもなく、ぼんやりと地中海を眺めていると、現地のお土産物屋のおじいさんが、肩から架けたガラスケースを持ってやってきました。見れば、コインやアクセサリーが入っています。
「メガス・アレクサンドロスのコインはあるの?」と訊くと、 「OH! アレクサンドロス。これよ。シカンダル!シカンダル!」 アレクサンドロスはアラビア語で「シカンダル」というのか!そう言えば、映画でも「シカンダー!シカンダー!」ってペルシャ人がアレキサンダーの入城を歓迎するシーンがありましたね。 見せられたコインは博物館で何回か見たデザイン。まちがいなし。 遊女asome:いくら? おじいさん:20ドル 遊女asome:ええ?ONE DOLLAR? おじいさん:ONE DOLLAR!??NO!NO! 15ドル? 遊女asome:ええ?ONE DOLLAR??(何を言われてもONE DOLLARの一点張りです) 結局、2ドルで商談成立。本当は1ドルまで、まけさせてもよかったんですが、時間がなかったので、2ドル払って「アレクサンドロスが埋め立てたのは、どのあたり?」と一番訊きたかったことを訊いたのです。 おじいさんは「あのあたりさ」と想像した通りの海岸を指さしてくれたのです。 「やっぱり、あのあたりね・・・」なぜか、胸が熱くなる思いです。 おじいさんは、別の方向を指さして「あっちは、イスラエルだ!」と教えてくれました。見ると海の向こうにはっきりと山が見えます。 ティールから12キロしか離れていない近距離にイスラエルがあるということをはじめて知りました。ティールは少し前までは、開放されていなくて、外国人は入れなかったのです。そういう、中東の地理的な緊迫感や歴史的な重みをティールにて、肌で感じました。 さて、ティールがヨーロッパの名前の起源にゆかりがあるのではないかというギリシャの伝説があります。古代テュロスを支配するアゲノールには、エウロペーという美しい娘がいました。ある日、エウロペーは美しい牡牛に誘拐されてしまいます。美しいフェニキアの女性に惚れたゼウスが牡牛に化けて、エウロペーをクレタへ連れ去ってしまうのです。そのエウロペーがヨーロッパという名の始まりだという説です。また、彼女のあとを追った兄弟の一人、カドモスはギリシャ人にアルファベットを伝えたと言われています。 レバノンがいかに由緒正しい国か、感慨深いですね。欧米諸国というのは、その源をフェニキアに因っているということでしょうか・・・。 ※上の写真:アレクサンドロスの埋め立てた海岸は、白いビルのあたり ※下の写真:ティールから見たイスラエル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.16 23:57:12
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