テーマ:DVD映画鑑賞(14209)
カテゴリ:遊女aosmeの「映画とドラマ」
非常に地味なのですが、とっても印象的な映画です。アカデミー賞3部門、マイク・リー監督のヒューマンストーリー。ほとんど有名な俳優や女優が出ているわけではなく、淡々と描かれる人々の暮らし。そして大写しされる、出演者一人ひとりの表情が、とってもリアリティがあり、心に迫ってきます。
お話はとってもシリアスでハードです。 1950年イギリス。中絶は犯罪ということを知りながら、女たちは、いやおうなしに非合法の中絶をしなければならないことが多かった。貧しいながらも兄弟で自動車修理工場を営むスタン(フィル・デイヴィス)と、彼を愛する妻、ヴェラ(イメルダ・スタウントン)は、家政婦の仕事をしながら、家族を支えていた。平凡だが幸せな毎日。しかしヴェラには、家族にはいえないひとつの秘密があった。ヴェラは、女たちが望まぬ妊娠をした時に、自然流産を促すような処置を秘密にしてあげていたのだった。 行き遅れた娘の婚約がきまり、とってもうれしいスタンとヴェラは、弟夫婦を招待し、内輪の婚約パーティを開く。しかし幸せな晩餐の夜、ヴェラのところに警察が尋ねて来たのだった。 幸せは一瞬で崩れ落ちた。ヴェラは、ただ、困っていた女性たちを助けるために行った事だったが、イギリスの法律は中絶を非常に重い犯罪だと捕らえていた。 ヴェラはそのまま、警察へ連行され、留置されてしまったのだ。 捜査に協力的であるとして、裁判の間、保釈はされたものの、家族のショックは大変なものだった。しかし、なんとかヴェラを理解しようとしていた。法廷に立つヴェラは自分の罪の重さを十分に理解してもなお、娘たちを助けざるをえなかったのだ・・・。 後半は、法廷に立ち証言をするヴェラの表情が非常に複雑で、かつ、素晴らしいです。この映画のどの俳優さんも女優さんも、非常に丹念に役を演じ、このような映画があったのだと改めて、監督のマイク・リーの手腕に脱帽です。見るべき価値のある作品だと思います。 渾身の映画、どうぞごらんになってみてくださいね。 出演 フィル・デイヴィス イメルダ・スタウントン 監督マイク・リー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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