カテゴリ:「ジェンダーと哲学」の本
小林秀雄の著名な考えるヒントの中でもこの4は、詩人という人、特に天才と呼ばれ、夭折した二人の詩人との深いかかわりと思いをこめて、書かれた文章で構成されています。特に中原中也に関しては、小林秀雄と中原中也の間に実際に起こった恋の葛藤の記憶が、中原中也を語るとき、その複雑な感情と痛みが立ち現れ、なんとも言えず悲しく、切ない気持ちにさせられる文章です。一つ一つはとても短い文なのですが、その短い文章に、凝縮された人の心の深さがあります。一場面一場面が、ほんとうに魂に迫ってくるのです。 詩人という人間の、切ない悲しみ。詩人がその詩を生み出す元となる詩人の魂のレベルまで深く感応し、表現する小林秀雄その人の生き方、思想、考え方に、感動を覚えます。詩人という人生を生きざるを得なかった人たちの精神の闇と光。小林秀雄という人のおかげで、その詩人の魂に少しでも触れることができて幸せです。また、その詩人と魂のレベルで出会い、関わり、表現することができる小林秀雄とういう人に、ただただ、凄いという気持ちがわいてくる、そんな本なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.08.18 22:35:35
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