カテゴリ: 「IT関連」の本
<偏在する私>をどう生きるか
社会学者 鈴木謙介さんの新書です。私は鈴木さんの著書は「カーニバル化する社会」以来なのですが、毎回、鈴木さんの新作を読むのをとても楽しみにしています。一番初めの著書、「暴走するインターネット」のときから、非常に身近なネットの世界をしっかり社会学的知見で切り出してくれるので、とても興味深いのです。社会学という学問、そして、その視点から物事をとらえ、真摯に考え書いてくださっているのが鈴木さんだと思います。 2チャンネルを初めとするインターネットの世界、そして、ライトノベルの世界。非常に面白い分野ではありますが、社会学的な知見から書ける人はなかなかいません。だから、いつも期待して読むのです。今回も期待を裏切らずに、最近のインターネットの世界、そして若者たちの世界を描き出してくれました。インターネットの世界は、ビジネスの世界から描き出せばとても偏ったものになってしまいます。やはり社会学的な立場で、人間の振る舞いや心理をとらえ、社会全体、人間とはいったい何なのか?という根源的な問いを投げかけなければ見えてこないものなのだと思います。 今回は特にケータイの世界にも迫っているので、とても面白いものになってきたと思います。ユビキタス、というテーマをどのようにとらえるのか。日本のケータイの世界とは。 そして人間の宿命という大いなるテーマ。私は個人的に、鈴木さんにはもっとケータイインターネットの世界に迫って欲しいと思います。もっと希望を言えば、インターネットと女性という問題も書いて欲しいなと思います!今回もとても面白かったですが、次の作品も期待しています。本当に、ケータイのインターネットの世界をきちっと分析でき、ちゃんと書ける人は本当に少ないので、鈴木さんに期待したいところです。がんばってください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.24 22:31:43
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