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カテゴリ:米澤穂信
今日は、
米澤穂信さんの『犬はどこだ』の感想を。 順調な人生を歩んでいた主人公紺屋長一郎だったが、突然の病気に、仕事や社会的地位諸々を捨てざるを得ないことに。 それからというもの、病気が治まってからもやる気をすっかり失い、ぬけがらのような生活を送っていたが、経済的危機から、リハビリも兼ねて、ノウハウのあった犬探し専門の調査事務所を開くことになった。 そんな事務所の開業早々に、なぜか失踪人探しと古文書の由来調査の2つの依頼が同時に来て、結局受けることにしたのだが・・・。 この主人公、やる気ないわ、淡々と仕事をこなすわで、『こんなんで読者をグイグイ引っぱってこれるんか?』と心配だったけど、失踪人の行方をたどるうちに、最初の無関心ぶりが嘘のように、熱心になっていくところ、ハラハラドキドキしながら応援したくなりました。 ハラハラドキドキしたってのは、その失踪人の跡を追う者が他にいて、そいつより先に失踪人を見つけなきゃいかんというサスペンス要素も、この作品の大きな主題になってるから。 あと、探偵にロマン持ってる高校時代の後輩ハンペーが押しかけ助手したり、主人公を公私にわたって助けるチャット相手の「GEN」といい、サブキャラも捨てがたいものがあります。 ちょい難点を言えば、古文書の調査の話が、失踪人調査に絡んでくるというストーリー展開になってくるんだけど、古文書の方はあっさり決着ついた感があるってことですかね。もったいない>< しかし、方々散りばめてある伏線が明らかになっていくあたりはうまかったと思います(なぜ、思いますって表現なのかというと、細部にいたっては伏線が多すぎて、俺の頭がついて行けなかったwいや、おおまかのところはちゃんと分かりましたよ(;・∀・)) でも、俺がこの作品を気に入った最大の理由は、エンディングが心地よかったってことです。 いや、いわゆる大団円ってエンディングじゃないんです。 決してハッピーエンドじゃなかったんですが、読み終わった時のひりつく様な緊張感が心地よかったという、俺には珍しい読後感受けました^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/04/26 03:41:16 PM
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