インディペンデントDav by Day

2005/01/17(月)11:23

バンコクの雑踏より

005年が明けた。6日から仕事をスタートしたのだが、時間が取れず、このコラムを書くのが今日、1月16日になってしまった。私ごときのコラムでも見に来ていただいている方がいるのと、私自身の頭や心の整理にもなるので、時間とのバランスを取りながら今年も何かと書いて行くたく思う。ということで今、実はバンコク(タイ)に来ている。 2004年度はタイに4回程行っているので今回で5回目である。空港を降り立ったと同時に熱気に包まれるかと思ったが、今回の滞在期間中は割りと涼しく過ごせている。日本で言うと秋のような気温である。2005年から再構築を考えていたビジネスに必要なビデオ撮りの仕事を兼ねて来てはいるが、やはりタイはのんびりできる。お正月で休んではいるが、体の疲れは取れても、心の疲れまではそう簡単に取れるものではない。 それは国内の高級温泉旅館に泊まっても、夜な夜な夜の街に繰り出し、楽しく飲んでもそうである。私に限って言えば、高級マンションに住み、非日常的仕様の外車を乗り回し、仲間とワイワイ騒いだところで、キッチンの壁に染み付いた油汚れのように、心の疲れまでは決して取れることはない。ところが、海外に旅をするとすっかり素に戻れる自分がいる。雑踏に呑み込まれ、多人種の交じり合うこのような異国に来ると、心の底から、力まなくてもいいのだと自分の潜在意識が脳に指令を出すのだろう。1日の流れが、日本の3日分相当に感じられるほど、ゆったりと流れるように思うのだ。今回私が現地で使ったお金は日本円で3万円である。驚くなかれ、3日間経過した今でも私の財布にはタイバーツがそこそこ残っている。感覚的には日本で同じようなスタイルで過ごせば、軽く15万円程度使って過ごした充実感なのだ。先ほども、日頃のハードワークで凝りに凝った私の上半身をタイのおばちゃんが1時間揉み解してくれた。たったの300バーツである。 すっかり気分の良くなった私は、ホテルの部屋でこうしてこのコラムを書く気になったというわけだ。私は、日本にいるといつも頭の中は秒刻みで色々なことを考えている。一種のクセである。それは、まるでお経のように脳裏をこだまし、私自身の心を縛り付けてくる。「こうでなくてはならない」「もっと力が発揮できないものか」「自分の責任と義務」「社会の一員として、大人としての立ち振る舞い」「○○才にはこうしていたい」「もっとやれるはずだ」・・。いつも私はこういう言葉に支配され続け、自分を鼓舞し、マシンのように実行して行く。 1年が異様に早く、それでいて一進一退の日々。幾つかのビジネスを進行し、多分人から見ればオモシロ可笑しく生きているように見えるだろし、自分でもそう思う。でも、このようなゆるやかな時の流れに身を委ねていると、そういったものなどどうでもよく思えてくるのだ。そして心からリラックスする。だからこそ、こうして時々自分を支配する「Do more」と脳内でこだまする言霊から私自身を解放させてあげないといけないのだ。 昨日、ある店でタイ人ダンサーの踊りに魅入っていた。エッチな店ではない。彼女は可愛く魅力的で、実に楽しそうに踊っていた。なんだか、そのダンスを見たことで、私自身もまた意欲的にビジネスをこなそうと思ったのであった。心もニュートラルに戻った。さぁ、明日の朝からは現実の国、日本である。今年も飛ばすよ! KEN NOZAKI

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