九尾の猫
ニューヨークに連続絞殺魔「猫」が出没。市民たちはパニックに陥る。「十日間の不思議」事件の失敗で探偵をやめる決心をしたエラリーであったが、父のクイーン警視とともに否応なしに捜査に参加することになる。兇器のシルクの紐は何を意味するのか。何故被害者はだんだん若くなり、女性の被害者は独身なのか......エラリーが導き出した「猫」の正体とは。----------------------スリリングで興味津々なストーリー展開。登場人物が少ないので、犯人は透けやすい上割と早い段階で疑わしい人物が指摘されたので、これはレッドヘリングだろうと読者に見抜かれてしまうだろう。それでも、意外な犯行動機をロジックに嵌め込んで、真相を解明する手並みはクイーンならではで感心する。動機が意外なだけでなく、結末も意外だったかな。一手前の「十日間の不思議を」読んでみたい。