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テーマ:ミステリはお好き?(1475)
カテゴリ:Mystery
会員制クラブ、ウェスト・ハーストに集まった因縁浅からぬ人々。
その中には私立探偵アダムス・マカニスも招かれていた。 マーダーミステリの筋書き通り、やがて起こる招待客の一人、クローディア・マイアーの湖での不審死。はたして自殺なのか他殺なのか。 さらに嵐によって陸の孤島と化したクラブの中でオーナーのジョン・ガーモンドが射殺死体で発見される。 誰が、何故一連の事件を引き起こしたのか。 謎解きを試みるマカニスだが、ついに彼までが......... 作者はこう語りかける。 「すべての小説は謎解きだから。すべての読者は探偵だから」 さて、本篇の読者ならば如何なる推理によって、真相を解き明かせるのか? --------------------- メタ・ミステリー、アンチ・ミステリーついでにバカミス?のコラボだとか 視点人物が犯人、探偵が犯人、読者が犯人、と何でもありの昨今のミステリ。 ついにこうきたか。 それはまあ、〇者が「犯人」ならやりたい放題、ホワイダニット(犯行動機)なんてどうでもよろしいとばかりに、好き放題に描けるでしょうね。 しかし残念ながら、犯人の意外性に関しては、「虚無への供物」や「ドグラ・マグラ」に鍛えられた本邦のミテリオタにはさしたる驚きも与えられないだろう。 ミステリーとしての文脈について少し言わせてもらえば 読みにくい訳文ではないのにもかかわらず、正体不明の「わたし」が読み手と思しき「あなた」に語り掛ける文体の章はは下手な純文学を読まされているような心地の悪さだった。 文学的な、あまりにも文学的な犯人像を最後にバラすためにこの文体が必要だったのかと、余計な深読みをしたりもした。 謎の発想は面白くても、ストーリーの設定に新味がなく展開の描きかたに面白さが感じられず、読んでいる途中でしばしば飽きた。 それゆえ、最後に明かされる犯人以外にも第二の犯人がいるという多重推理、多重解決も可能という解説文のおすすめに従って 再読して珍犯人を探すため迷推理を巡らせる気にはなれなかった。 暑さの余り脳内の井戸も渇れているのでそれは無理。 無理筋を妄想することすら無理です。 そこでちょっと別の話(蛇足) この邦題、ハヤカワ・ミステリ愛好家に受けることを狙ってつけたのかしら。 この手のエンターティメントは創元推理文庫愛読者でも眉に唾つけて読むだろうけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.08.13 18:10:42
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