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テーマ:ミステリはお好き?(1498)
カテゴリ:Mystery
何故か行く先々で死者と遭遇してしまう死神体質の美少年美樹。
刑事高槻は美樹の双子の弟真樹とともに、美樹の護衛のため小笠原の孤島のアクアリウムのある館へ向かう。 そこには館のオーナーの大倉以下、4人のミステリ作家たちが集まっていた。 早速、サカナオタクの美樹と意気投合していた大倉何者かに密室で殺害された。 さらに外部との連絡手段を絶たれた、邸内でシェフの弟子熊井、女流作家の國城が殺される。 と、ここまではクローズドサークルミステリーの御約束通り。 しかし 誰が、何故、どうやってかかる連続殺人行ったのか との本格ミステリーらしい展開と解決を期待してはならない。 本篇は期待を裏切る斜め下をいく、意外な結構が読者を混迷に陥れいることになるだろうから。 ーーーーーーーーーーーーーーーー メタミステリーかつアンチ・ミステリーで、ついでにバカミスやラノベ風ミステリーへの弄りまであるかも? ここまでミステリーのお約束をいじり倒して、崩壊寸前まで持ってゆく作者の才気には感服した。 よもや◯子の人物入れ替えトリックを意識的に行うとは。 地の文で、ノックスの10戒やヴァン・ダインの20則が紹介されているにも関わらず見破ることは出来なかった。 想定外の作者の剛腕に畏れ入って、犯行動機なんてどうでもよろしいという気分にさせられる。 そして実際、犯行動機は作中明かされないというダメ出し。 ミステリー初心者には何が何だか判らず、まじめーな本格愛好家の眉をひそめさせるほどの遊び心に貫かれ野心作だろうが、私には面白かった。 他作はどんな作風なのだろうか。 読んでみたい、と興味を唆られた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.08.25 15:06:24
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