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テーマ:ミステリはお好き?(1498)
カテゴリ:Mystery
謎の奇病「オスロ昏睡病」治療の権威開本博士と、10代のオスロ病患者兵藤水奈が殺害される事件が起きた。
博士が開発した治療薬には服用した者の身体に薔薇に似た形状の腫瘍を発生させるという副作用があった。水奈の遺体から腫瘍は切り取られていた。 自らもオスロ病患者であり、頭部に薔薇型腫瘍を持つ警部補八嶋は、部下の安城とともに事件の捜査を命じられる。 八嶋は患者たちの集う「はなの会」の施設で聞き込みを行ううちに、腫瘍同士を接触させることで白昼夢を視る現象「薔薇合わせ」の実験をしていた患者たちの存在を知る。 そして「薔薇合わせ」を体験した患者がまた一人、もう一人と殺されて、身体から薔薇を切り取られる。 もう一人のオスロ昏睡病研究者の大様博士は、この奇妙な「薔薇合わせ」の秘密と連続殺人事件を解く鍵を握っているのではないか。 隠遁中の博士を尋ねた八嶋が、知らされた驚愕の真相とは..... --------------------- タイトルから幻想小説的な作風のミステリ かと勝手に想像して手に取った一冊。 ではなくて、どちらかと言えばSF的な発想の特殊設定作品だった けれど、この世界観は気に入って面白く読めた。 異様な状況を、淡々と描いてさらりと読ませる筆致が良い。 人物の設定にも奇矯さがないのも読みやすいのだがその分犯人は判り易い。 その点が残念。 しかし猟奇的な事件すなわち、異常な犯行動機ではなく、さらに殺すほどの理由なのかと思われる点、ことがむしろ意外性があるかも。 終章で謎の人物が唐突に登場したり、時空が混沌としたすえの イメージが飛躍しすぎるエピローグにしても、個人的には特殊世界での幕のおろし方と割り切れば許容できた。 いやこのラストは次なる新世界(シリーズ化)がやってくることの予告なのか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.09.18 12:30:32
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