|
テーマ:ミステリはお好き?(1498)
カテゴリ:Mystery
作家志望のアニーは、資産家の大叔母フランシスに招かれキャッスルノールの村を訪れた。
フランシスは少女時代の自分が誰かに殺されるという予言を信じていた。 果たしてアニーが見たものは、屋敷の図書室で殺害された大叔母だった。遺体のそばにはドクニンジンが塗られた針を仕込んだ白薔薇が落ちていた。 大叔母の遺言状が公開されたが、その内容はアニーか、フランシスの義理の甥サクソンの何れか 自分の殺害事件の謎を解いた者に全財産を譲る、という奇妙なものだった。 アニーは大叔母の古い日記から、謎解きの手がかりを探そうとするが、 フランシスの所有地からトランクに詰まった死体が発見される。 それは20年以上前に失踪したフランシスの友人エミリーの遺体であるらしい。 さらにフランシスの直接の死因は、鉄剤の大量投与によると判明し事件は混迷の相を呈してくる。 あの薔薇は何を意味するのか。 フランシスとエミリーを殺したのは同一人物なのか、それとも? アニーが探し当てた事件の真相とは。 -------------------- これまた薔薇のタイトルに惹かれて(最近薔薇づいている?)読んだところが アニー視点の文章に無駄なおしゃべりが多く、肝心の推理の手がかりを探すのが困難。 登場人物が狭い人間関係の中でやたらと賑やかなのが、ドタバタ喜劇めいている。 文体をや人物相関図を煩雑にして、目眩ましをしようとする作者の意図なのか。 それとも訳文が拙いのかあるいは原文が悪文なのか。 どちらにせよ私には好ましいことではなく、作品として質が高いとも思えない文脈だ。 深読みしても無駄と諦めたおかげか、470ページ以上をさくさく読み流すことになる。 こうして冗漫で印象が薄い展開との果に、たどり着いた犯人は目立たない人物だからか、そこそこ意外性があるが、犯行動機が説得力に欠ける。 結局「白薔薇」はトリックに何ほども関与していないので、これも無駄かつ無理な設定だったと思う。 なんとも、薔薇色の読書体験とは程遠い所感。 帯の文のホロヴィッツに次ぐクリスティの後継者という宣伝文句は大袈裟かつ的外れだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.09.24 19:54:23
コメント(0) | コメントを書く |