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テーマ:ミステリはお好き?(1568)
カテゴリ:Mystery
米軍鑑艦艇から極秘テスト飛行のため飛び立ったオスプレイ。
搭乗員の1人、自衛官の白鳥三佐が機内で殺害された。 乗組員全員が安全ベルトを装着し身動きがとれない状態にもかかわらず、被害者は抵抗もせず正面から二度刺されて死亡していた。 姿なき犯人、消えた兇器、奇妙な歌声を聞いたという同乗者の証言。 NCISの特別捜査官ディック・ナーヌンは部下のジーナ・プルシェンコとともに捜査にあたるが、事件を自殺で処理しようとする米軍海兵隊のガートナー中佐の妨害にあう。 しかし、そのガートナー中佐は取り調べのため軟禁された兵舎での火災にあい、焼死してしまう。 火災現場にいた謎のガスマスクの人物は、ディックとジーナを襲撃して逃げ去った。 深手を負ったディックとジーナから捜査を引き継いだのは、レヴィア・スター上級捜査官だった。 検死官アボットの協力で、重要な物証を得たスターは言う。 「すべてを明らかにするときです」 そしてオスプレイ機内で、一同に会した事件関係者たちによる事件の再現が始まった...... --------------------- 目次の「凶鳥の影」というのが何処かできいたようなネーミング。 発端部の謎の提示は魅力的、事件関係者が個性豊かに描き分けられているので、中盤の延々続く彼らへの聴取場面も退屈せずに読めた。 特に上等兵の凸凹コンビの証言は漫才みたいで御愛嬌。検死官アボットと捜査官との応酬も然り。 なのに、デウスエキスマキーナの如く名探偵登場で、スターがあらわれてからが失速気味。 このままディックとジーナが事件解明したほうが、展開が散漫にならず良いんでない?というのが個人的な感想。 探偵役がもう一人登場して多重解決ものにシフトするかと思いきや、そうでもなかった。 もとより機内の殺人の真犯人と〇〇犯(?)は判りやすく、搭乗員全員が犯人はありえないという前提で考えると、アレかカレしかない。 密室トリックにしても先行作が多すぎるのと、カーの密室講義に答えがあるのとで、あのケースだろうと予想がついてしまう。 作者は承知の上でお手本に倣ったのか。 スターは犯行動機に拘って推理を披露するのだが、そのホワイダニットは勿体をつるほどもない 復讐だの、私利私欲ときてありきたり。 火事の中の謎の人物についての第二のフーダニットも木に竹を接ぐような後出し感。 捜査側と容疑者側のキャラはそれなりに面白さがある造型なのに、ずばり犯人像には魅力が欠ける。 謎だけでなく、謎解きと犯人像にも魅力があってほしかった。 というのが、個人の偏見です。 ![]() --------------------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.01.26 13:04:35
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