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テーマ:ミステリはお好き?(1572)
カテゴリ:Mystery
何者かによって拉致監禁された大学生井川和真は、気が付けば女の生首と原稿が入ったバッグを手にしていた。
その原稿には、江戸川乱歩と横溝正史の交流と、二人が巻き込まれた昭和29年の首無し殺人事件の顛末が記されていた。 まさかバッグの中の生首は事件の被害者で、時空を超えて和真のもとに現れたとでもいうのだろうか。 原稿を読み進むうちに、和真は怪奇と幻想の世界に誘われてゆく。 -------------------- 作中作とメタミステリ ○○人格と○○錯誤 ミステリのガジェットの合せ技を、巧く幻想小説のピースにはめ込み 幻想小説にはよくあるパターンの 実は、すべて誰かさんの妄想譚でした が、オチの物語を 乱歩と正史を主役に据えて、虚実綯い交ぜの探偵譚仕立て上げた作者の技量に感心した。 巻末の参考資料を読んで、私の中にも再び乱歩と正史への関心が再燃。 資料の中に中井英夫の「乱歩変幻」が挙げられているのが嬉しくて、早速中井英夫全集を読み返した。 「乱歩は生涯を通じて、ただ胸奥に紡がれる漆黒の夢を語り続けただけなのだ。」乱歩変幻 中井英夫 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.03.15 23:32:32
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