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テーマ:ミステリはお好き?(1573)
カテゴリ:Mystery
1982年、冬のドイツで起きた殺人事件に絡む「創生の箱」なる美術品。
1998年の日本。 「創生の箱」を入手した美術商岩倉清一から、劇団ポルカの看板女優美久月美由紀、団員橘美以子、探偵ディは、岩倉の別荘「アルファベット荘」に招待される。 しかし、アルファベットの意匠が施された奇妙なその館に、岩倉は姿を表さず、一癖ありげな10人の招待客たちは、1人、また1人と殺されてゆく。 -------------------- 2002年刊行作を加筆修正無しで2021年再販とのこと。 さすがに今読むと、複数の〇〇役、多重推理と間違いの推理、視点人物の入れ替わりによる目眩まし、そこから導かれる〇〇役が〇〇という帰結に斬新な驚きはない。 ミステリーヲタなら、ロジカルに考察しなくてもストーリーの構成と人物設定だけで怪しさに気づきそう。 さすが物理トリックだけは、この作者ならでは奇想に満ちたもので、この手があったかと膝をうちたくなったが。 作品全体としては、20年前の目新しいガジェットを継ぎ接ぎ細工した観があって、完成度が高いとも、問題作であるとも思えなかった。 好きな作家の若書きであるのに、軽い失望を覚えた。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.03.20 20:58:38
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