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テーマ:ミステリはお好き?(1594)
カテゴリ:Mystery
かつて「消人屋敷の殺人」事件を解決したフリーライター新庄誠と編集者中島好美のもとに新たな失踪人捜索依頼が舞い込む。
ノンフィクション作家稲見俊一が取材旅行に出かけた切り消息を絶って三か月。 依頼人である稲見の妻日奈子、愛人、その他彼を巡る人々への聴取を行ううちに、現在の連続放火事件と、過去の産院での新生児取り違え事件が調査の線上に浮かび上がってくる。 取り違えられたと思しき人物もまた、火事の犠牲となってこの世から消えているのだ。 では稲見は何処へ… -------------------- 読み終えて、なんとなく既視感(既読感?)があるなと思ったら、エラリー・クイーンの「○○の〇」に似ているのではないかと。それに アガサ・クリスティの某作とか、いや江戸川乱歩のあの作品にもーーなどと。 別にパクリとか換骨奪胎とか言うつもりはない。 ○○錯誤つまり〇人〇役による二重生活という謎の設定が。 このトリックを間違いの殺人に応用したまでは気が利いており、作者ならではの捻りの利いたアイデアだろう。 作者には既存のトリックにも、こうして一ひねり加えることで、興味津々なストーリーの展開とユニークなプロットを構築する巧さがある。 けれどここにきてマンネリ化したか、面白くストーリーを追うそばから、怪しい人物が割れてしまうきらいが見えてきた。今さら視点人物の入れ替えでは読者の目は眩ませないだろうから、別の手段を考えたほうが良い。(私はこれで 殺したのは誰か に気が付いてしまった) さらに不満を述べれば、謎の解明はロジックを尽くしたものではない。 案楽椅子探偵ならいざ知らず、調査結果から真相(事実)を解明する建前でライターを 探偵役に起用している以上、ればたらな推測を並べているだけでは 「真相をお話しします」とこられても、想像にお任せされただけの曖昧模糊とした不全感が残ってしまう。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.05.10 22:54:53
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