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テーマ:ミステリはお好き?(1600)
カテゴリ:Mystery
イケメン大学生の古賀鳴海と、そのバイト先の何でも屋店長の樋山市忍は、ヤンデレな鳴海の恋人・翠の実家である霊是家の「天狗屋敷」を訪れることになった。
屋敷では七年前に失踪した当主春秋の遺言状開封が行われたが、それを皮切りに春秋の弟冬夏の遺体の棺からの消失、そして毒矢による現当主一高の殺害、山林ブローカー樽峰の密室殺人と不可解な事件が連続して起きてしまう。 難航する怪事件の捜査にお手上げの地元尾警察警部宇津木を前に樋口は 「わかったぜ....真犯人の野郎が誰なのか」 と口にしたが........ 第10回新潮ミステリー大賞最終候補作が、改題、改題を経て、怪作?として登場。 横溝正史のあの作品、あのトリックへのオマージュ満載だから、ネタバレになるのであらすじはここらへんで。 -------------------- ラノベ風の文体、バカミスの作風を借りて何でもありのストーリーを自在に書き散らしつつ、読み手を惹きつけて楽しませる。 なのに見かけによらず?本質はしっかり本格もの魂が座っている、新人ながら才を感じさせるデビュー作だった。 謎やプロット、ガジェットの設定に横溝のどの作品からの本歌取りなのかあれこれ「推理」する楽しさが味わえたので、物理トリックが無理筋とか、すでに使われたネタであるだの、キャラが突飛すぎるとか野暮を言うつもりはない。 それに鳴海はイケメンが、物語の進行に一役買っているのでイヤではないし、樋山との凸凹コンビぶりや宇津木警部との掛け合いもうまく描けている。 翠のヤンデレぶりは流石に辟易させられたが、そこに伏線があったわけで見抜けなかったのは私の不覚。 それに比して犯人は何となく判ってしまうのが難点。 未〇の〇意を利用した殺害手段という発想はとても巧妙なのにおしい。もっと犯人隠匿の工夫をこらして手玉に取ってほしかった。 次回作の予告が最終行にされているからシリーズになるのだろうか。 読むかどうかは......それはーーーーーー ミステリオタ 自作予告に さてと言い 妄作お粗末。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.06.14 20:10:42
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