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テーマ:ミステリはお好き?(1600)
カテゴリ:Mystery
対馬で起きた三件の殺人事件。袋詰めの首なし死体となった会社員中村真。
津州寺住職鵜沢祝の舟に乗せられた遺体は、やはり首を切断されていた。事件を追っていた週刊NAGASAKI記者三人目の被会社となって刺殺され、「さいきょう くぎょう」と謎の言葉を残して息絶えた。 地元警察が捜査を行う矢先、鵜澤の妻寿子は飛び降り自殺を図って死亡してまう。 奇遇にも対馬へ旅行に来ていた桑原崇は先輩のフリージャーナリスト小松崎に請われて、事件の真実と本質を解明する。 ----------------------- 探偵役の桑原崇の本職は薬剤師。 私立探偵なんかじゃないから、ひさびさにヘンなキャラでないフツーのお人の推理をご拝聴できるとホットしていたら、 猟奇的な事件には奇矯な探偵が適任とばかりに、この人も充分ヘン人キジンであった。 薬剤師よお前もか。 推理小説らしさを期待すると「なんだこれ」となるので、筆者の独創的かつ創作的な日本古代史論の開陳と思って読んめばいいのだろうか。 作中で事件のシーンの描写より、桑原のフィールドワークめいた旅行記と、記紀その他歴史的、民俗学的(神話学的?古文書学的?)蘊蓄が延々繰り広げられる。 私としては古代史や古典、宗教学には多少興味があり、それなりに面白く読んだけど、そのジャンルに興味のない読者にとっては如何なものか。 桑原の素人学者もどきのお講義だらけのあげく、ミステリとして推理する手がかりらしきものが見つけられないまま 名探偵、皆を集めてさてといい大詰めに突入するのにはまいった。 桑原って、フィールドワークする安楽椅子探偵だったかと、唖然。 古代史への名解釈は食傷したが、事件の謎解きたるや、想像の域を出ないこじつけと思わされた。 フーダニットについては、少ない登場人物から引き算すれば、そこかここしかないじゃないというお粗末さのうえ、〇犯の存在に関してはアンフェア感あるある。 犯行動機にしても、狂信と妄執なことは物語当初から推測がついてしまうの面白くない。 こんな動機で犯行を犯す人物にはまったく感情移入できないし、探偵役の崇にも共感するところがなかった。 まあ、まあ、此方の頭の出来が悪いので 推理のヒントの「さいきょう くぎょう」 って西行と公暁のことでは? と当て推量をしたが、これは間違いの推理であると、作中喝破される。当然か。 frauleinneinの頭はヴォケでございますか?? はい、はい。 なのにどの口が言うかと、返されそうだけど、以上が忌憚のないチラ裏である。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.06.19 21:21:10
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