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テーマ:ミステリはお好き?(1687)
カテゴリ:Mystery
莫大な財産を相続した彩莉は、SNSで自分の創作ミステリーをディスったショーゴと詩音を殺害するため孤島にギミック(隠し通路)付きのお館、「来鴉館」を建造する。
有能な秘書兼メイド葵と、メイドに化けさせた事情を知らない役者のアリカを共犯に仕立て、ショーゴらミステリマニアを館に招待する。 しかし第一夜目にして彩莉ではない何者かが、ショーゴ殺害を実行してしまい、続いて葵までが......彩莉の殺人計画から大外れのこれら間違いの殺人は、誰の手によるものなのか。 招待客である、刑事の矢頭と霊能者の真波は連続殺人の謎解きに挑む。 みんな嘘つき、と嘯く真波が語る事件の真相とは。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 彩莉側から犯行を描く倒叙ミステリと思いきや、斜めの方向へ、予想不能の不可能犯罪ミステリめいた作風へストーリーは転がりだす。 ほめているわけではなくて、不可能すなわち荒唐無稽、それでも力業で世界観へ引っ張り込むバカミスワールドの世界が開幕ってことで。 真波の全員が嘘をついているという指摘ではたと気づく。 それじゃ全員が犯人のパターンか。 もっと深読みをして、全員が嘘をついている以上 探偵役も嘘つきなんでは? と直感したのは当たっていた。 かように 古典的ルールでは禁じ手の隠し通路トリック、探偵役も含めて信用ならない視点人物によって叙述される文脈、人物入れ替えで正体Aを別人Bと地の文でで表記させて錯誤させたり、 巻頭の館の平面図に記載されている招待客の表記に誤魔化しがあったりと 反則ばかりに思われる一方で 嘘だらけというのが真相と暴露してもいるので、逆説的にはフェアプレーのミステリなのかもしれないけど。 ただし嘘はバレないようについてなんぼ。 読み手がロジカルに考察しなくても、種や仕掛けがなんとなく判ってしまっては面白くない。 フーダニットにしても、一番怪しくない人物が真犯人という定石どおりだから 安易な消去法で気付くだろう。 クローズドサークルでポンコツな人物が演じるドタバタエンタメ、間違いの殺人ならぬ間違いの喜劇として、いやバカミスとして読めば十分に面白い。 好きな作家の新作なのに誉め言葉が見つからず、さりとて貶すほどのこともない読後感だった。
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Last updated
2026.02.12 20:28:42
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