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テーマ:ミステリはお好き?(1697)
カテゴリ:Mystery
1944年冬、敗色濃い日本でドレスメーキング女学院の学生4人が連続して縊死するする事案が発生する。華やかなスカート拡がる洋装の彼女たちの遺体は「釣鐘草の衝撃」と呼ばれ人口に膾炙した。
警視庁の巡査で撮影担当の石川光陽は、防犯課技師吉川澄一とともに死因の調査を開始する。元鑑識課長で「吉川線」の提唱者である吉川はこれら不審死を殺人事件であると断定。 出版社に勤める若葉千世と時事新報社の速記者伊吹ミナの協力を得て捜査を進めるが、犯行は留まらず、もう一人のドレメ関係者とさらにミナまでが殺害される。 「未来を生きる人が少しでも生きやすくなるように、犯罪捜査は必要なんです。」 吉川はそう言って、初動からの捜査の見直しをするのだった。 そして運命の1945年3月15日、東京大空襲を迎えた石川が、ライカのレンズにとらえた戦争の悲惨と事件の驚愕の真相とは。 --------------------- 実在の人物2名を探偵役に据えたせいもあってか、物語の背景となる戦時下の描写にリアリティがあり事件捜査の臨場感、真に迫る東京大空襲の描写、捜査小説として歴史小説としてすぐれた出来栄えだった。 ミステリー要素としては、犯人はなんとなく判ってしまい、怪しい奴は犯人ではない、という王道の目くらましが余り効果的でないのが残念。 フーダニットの意外性よりも、殺害方法の意外性が考察の対象なるのだが、縊死と誤認させている可能性は思いつくが、具体的に死因を特定するのは特別な○○の知識が必要かも。 ただしそのヒントはずばりとタイトルに示されている。これをフェアと見るかどうか。そうでなくても美しいダブルミーニングいや、二重どころか三重の意味でエレガントな(整合性がある)タイトルだと感心した。 もっとも、どんなに理屈をこじつけようと、犯人の犯行動機はちっとも整合性がないと感じたことは申し添えておく。
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Last updated
2026.03.09 11:34:51
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