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テーマ:ミステリはお好き?(1737)
カテゴリ:Mystery
明治6年。
文明開化ただなかの東京で、法の裁きを逃れてのさばる悪党が、次々と斬殺される事件が起きる。 謎の暗殺者は人呼んで闇仏。 侍崩れの倉田恭介は、わけあって10歳の身寄りのない少女サキと暮らしていたが、糊口をしのぐため、闇仏から殺害予告を受けた極悪人大淵伝兵衛の用心棒となる。 いったい闇仏は何故人斬りを行うのか、彼は正義の使徒なのか、そしてその正体は。 一方、廃仏毀釈の世の趨勢にあって、狂信的な仏教集団浄光輪が大渕の隠し持っている新式銃を狙って不穏な動きを見せていた。 伝兵衛の護衛のための用心棒までも、闇仏によって殺害されていき、ついに倉田は闇仏と対峙する時を迎える。 -------------------- みんな大好きな闇に裁いて仕置きする、必殺なんちゃらかと、興味を持って手に取ったが、そちらとはちょっと毛色が変わった作風で面白かった。 剣技で丁々発止のアクションシーン、登場人物が脇役まで巧みに描き分けられいるなどエンタメ性が充分。ストーリーの展開は歴史ミステリーのお約束通りなのだが、輪廻転生や善悪の業といった仏教思想が主題に据えられていのが読者の興味を引く。 犯人(実行犯)は途中で判ったが、事件を裏で操っていた黒幕(真犯人)の犯行動機が、仏教思想への歪な信仰による倫理観と論理に由来しかつ、この時代背景ならでは意外性のあるものだった。 この黒幕、つまり被○○イコール○○フーダニットと、騙しと操りの技法はクリスティー作品を想起させる。 そしてフーダニットに拘って考察すれば本作は、探偵側の主人公よりも犯人役の造型に成功していると思った。 個人の好みとしては名犯人のうちに入るかと。 実行犯がイケメンイマドキキャラに描かれてる点は、やっぱりテレビドラマ風読者サービスなのか 多少リアリティに欠けたが、それも御愛嬌で楽しめたのでまあいいでしょう。 個人的に残念だったのは、終幕が甘口に流れたハッピーエンドであったこと。 善悪の彼岸を描き切るならもっとハードな結構があったのでは。
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Last updated
2026.07.11 19:51:10
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