日本の犯罪小説
杉江氏の評論や解説が好きなので、はずせず読んだ本。日本推理作家協会賞を受賞した。自己の視点から良いものは、やはり他者の視点からも良いということか。評論の対象になっている小説はよく知られたもので、目新しさはないけれど、犯罪小説を取り上げることで、犯罪そのものの本質にも簡明な言葉で言及している点が目から鱗が落ちる思いがした。特に江戸川乱歩への言及、石原慎太郎の作品を犯罪小説として論じてくれたのは嬉しかった。後者はそう読み取るなら、三島の某名作も犯罪小説だと兼ねてより私も感じていたこと。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」や「罪と罰」なんてまんまだけどそれはまた別の話。以前から気になっていて未読の「新宿警察シリーズ」や結城昌二の小説を読もうと思った。西村京太郎は好きなので何作か読んだが、取りこぼしの未読作を拾っていきたい。気になったのは結城「殺意という名の家畜」「幻の殺意」西村「赤い帆船」「幻奇島」「華麗なる誘拐」やはり、魅力的な謎とか、どんでん返しとか本格もの要素のある作品に偏しちゃう。新宿シリーズはどの作を読みたいのかはイマイチ、はっきりしていない。