劇場へ 『あいつをクビにするか』
夕方から観劇予定。二度と行きたくないと思っていた劇場で、好きな演出家の作品が上演されとは悩ましい。雨が降ってきたので、外出するまでに少しでも空気を冷ましてほしい。雨が上がって、気温も上がってしまった夕方、猫も鳴りを潜める暑さのなか,猫街の小劇場へ。紀伊國屋書店の通路を通り抜けて先にあるビルの一角にある、入場口の判りにくい場所。小劇場っていうより小屋のスケールだこと。ホールへのエレベーターも中々来ないので、四階まで階段を登った。地震や火事のに見舞われたら、まず助からないことを覚悟しなければならない自由席。休憩所もなく、トイレはさらに階段を登ったところにある不自由さ。空調が効いていて暑さはしのげたのはせめてもの幸い。E列で舞台が近くても全体が見渡せるのが小さな箱のいいところか。場所は最悪だけど、舞台の仕上がりは上々で、実力者揃いの演劇集団。ブラック・コメディかと笑って観ているうちに、サイコサスペンスな展開への変化、からのミステリの怒涛の伏線回収のの如きカタストロフへ。さすが千葉哲也氏の演出。脚本も巧い。久しぶりに演出、脚本、キャスト三拍子揃った濃密な演劇空間に満足。ここだけの話、大劇場で演じたらさらに面白くなりそう。映像化もよさそう。