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2004.07.19
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カテゴリ:Progressive Rock

最近ヘビー・ローテーションで聴いているのが
ピンク・フロイドの「ファイナル・カット」
(2004/6/16発売 紙ジャケCD)です。


The Post War Dream
Your Possible Pasts
One Of The Few
When The Tigers Broke Free(ボーナス・トラック)
The Hero's Return
The Gunners Dream
Paranoid Eyes
Get Your Filthy Hands Off My Desert
The Fletcher Memorial Home
Southampton Dock
The Final Cut
Not Now John
Two Suns In The Sunset


音を三次元的に捕捉する特殊音響効果「ホロフォニック・サウンド」で録音されたアルバムが、
新たに2004年リマスターでさらに立体感が増しているので、
ヘッドフォンなどで聴くと、その効果が体感できます。


映画の一場面が目に浮かぶような「音景」描写が、この作品の特徴の一つ。
就寝時にイヤフォンで聴いているので、
ホロニック効果なのかどうかは知りませんが、最近はぐっすり眠れます。(おいおい)


冗談はさておき、このアルバムは元々、映画「ザ・ウォール」の
サウンド・トラックとして発売する予定でしたが、
ほとんどロジャーのソロ作と言っても良いくらいにパーソナルな内容になっています。


「ザ・ウォール」の監督でもあったアラン・パーカーや、
フロイドのギタリストでロジャーの相棒のデイブ・ギルモアなどとの確執、
マーガレット・サッチャー英首相への批判や、フォークランド紛争への絶望、
戦死した父親へのオマージュ(エディプス・コンプレックス)などが、
各楽曲のテーマとして設定されていると思われます。


すでにリック・ライトはクビになり、ギルモアやメイソンも脇役でしかないアルバムですが、
サウンドは明確にフロイド・サウンドです。(後のロジャーのソロと比較すれば明らか)


「Your Possible Pasts」と、「The Fletcher Memorial Home」における
ギルモアのギターソロは、聴く者の心を打ちます。
こんなソロは彼にしか弾けないでしょう。


私のお気に入りは、
1981年にハイドパークで発生した軍楽隊への爆弾テロについて書かれた「The Gunners Dream」です。
後半に流れるラフ・レイブンスクロフトによるサックス・ソロが心地よい。
次曲「Paranoid Eyes」への流れがとても暗いのですが(笑)、
本当にすばらしい。


彼の不満というか批判精神は、今でもライブの定番になっている
「Get Your Filthy Hands Off My Desert」に集約されます。


そしてタイトル・ソングの「Final Cut」。この言葉は「自殺」を意味しています。
メロディは限りなく美しいけれど、歌詞の内容はかなり意味深です。


「Not Now John」はシングルカットされた曲らしいですが、
出だしからFuck All That~などと、ずいぶん扇情的な歌詞。
汚い部分はギルモアに歌わせている…?(笑)


「もうひとつの太陽」(Two Suns In The Sunset)とは核爆発のことだそうです。
この曲ではアンディ・ニューマークがドラムを叩いていて、
いつものフロイド・サウンドとは印象が異なります。
ニックでは叩けないと判断されたとか。(そうは思えませんが…)


この曲の最後の一節、
and as the windshield melts
(そして風防ガラスが溶けるとともに)
and my tears evaporate
(涙も蒸発していく)
leaving only charcoal to defend
(後には炭しか残らない)
finally i understand the feelings of the few
(ついに後に残された少数者の気持ちを理解した)
ashes and diamonds
(灰とダイヤモンド)
foe and friends
(敵と友人)
we were all equal in the end
(結局、僕らはみな平等なんだ)

が、いろいろな意味で皮肉にしか聞こえない歌詞ばかりのこのアルバムですが、
個人的にはロジャーの名作であり、今の時代にこそ、もっと評価されてほしいと思います。


83年にリリースされ、全英1位、全米6位のヒットを記録するも、
翌年、ロジャーの脱退でフロイドは崩壊。
このアルバムはまさにフロイドの最終楽章となったわけです。


クリムゾンの「リザード」とか、イエスの「海洋地形学」などと並んで、
ファンからも異端視されているアルバムが気に入ってしまうへそ曲がりな私です。(笑)






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最終更新日  2004.08.04 11:29:50
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 Re:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   plam伽羅 さん
あ~ (*σρσ)あぁ… これも欲しいなぁ(笑) (2004.07.20 18:23:30)

 Re:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   Midge大佐 さん
なんか地味な存在だけどTHE WALLからの流れで聞くと
ぐっときちゃいますね。
私も好きなアルバムです。 (2004.07.20 18:30:52)

 Re[1]:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   ken_wetton さん
plam伽羅さん、こんばんは。

>あ~ (*σρσ)あぁ… これも欲しいなぁ(笑)

きっと気に入ると思いますよ。
(2004.07.20 18:40:26)

 Re[1]:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   ken_wetton さん
Midge大佐さん、こんばんは。

>なんか地味な存在だけどTHE WALLからの流れで聞くと
>ぐっときちゃいますね。

そうですね。
ウォールよりも重くて暗いけれど、フロイドを(いちおうですが…)締めくくるとしたら、こういう展開になるかなという気もします。


>私も好きなアルバムです。

今日も聞きながら寝ます。(笑)
(2004.07.20 18:42:15)

 Re:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   Kaoru さん
Pink Floydで嫌いなアルバムってないですけど(特に狂気からファイナル・カットまでは大好き)、
これは83年当時リアルタイムで買って聴いたものなので、思い入れもあります。

Not Now Johnばかり何度も何度も聴いたりしたっけ。暴力的な歌詞や曲調がお気に入りでした。歌詞の内容が日本批判などと言われてもいたけど、日本がどうしたアメリカがどうしたということではなく、とにかく、あれもこれも気に入らないとでもいうような、いらつくような感じがある。高校生の頃は(今でもそうかもしれないけど)どうしようもない不満を持っていて、そんな誰にもわかってもらえないことをRoger Watersはわかってくれてるというような気がしたものです。
それはこのアルバムに限ったことではなく、Wish You Were Hereなどでもそうです。
Watersも私にとっては特別な人です。 (2004.07.20 21:38:10)

 Re[1]:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   ken_wetton さん
Kaoruさん、こんばんは。

>特に狂気からファイナル・カットまでは大好き

まったく同感です。
初期も良いですがロジャー色が強まっていく「狂気」以降はとっつきにくい面もありますが、その世界にはまってしまうと延々と聴いていたくなるような曲が多いです。


>Not Now Johnばかり何度も何度も聴いたりしたっけ。暴力的な歌詞や曲調がお気に入りでした。

監督への怒りとか、メンバーへの不満、さらには戦争やテロに対して何もできない自分へのもどかしさのようなものも感じます。


>いらつくような感じがある。高校生の頃は(今でもそうかもしれないけど)

まあまあ、抑えて抑えて。(笑)
言葉に出せない、もしくは人に言えない不満やいらつきなどは誰にもあるものです。それをロジャーが代弁してくれているように感じるだけでも、ストレスから解放されませんか?


>それはこのアルバムに限ったことではなく、Wish You Were Hereなどでもそうです。

なるほど。あれはシドへの諦めのような気分もあるのではないでしょうか。

>Watersも私にとっては特別な人です。

あの方(謎)と同様、おとめ座だしね~(爆)

(2004.07.21 16:37:09)

 Re[2]:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   Kaoru さん
ken_wettonさん、こんばんは。

>まあまあ、抑えて抑えて。(笑)
>言葉に出せない、もしくは人に言えない不満やいらつきなどは誰にもあるものです。それをロジャーが代弁してくれているように感じるだけでも、ストレスから解放されませんか?

抑えるといってもこう暑くては難しいですが(笑)、そういうイライラとはちょっと違っていて、倦怠とか疎外とかいろいろなことですね。
うまく言えないんですが。
で、Rogerの歌詞に対しては、「そうそう、そうなんだよ」と常に共感していました。ひとりぼっちじゃないんだなあ、というのはWish You Were Hereを聴いて感じたことです。

>なるほど。あれはシドへの諦めのような気分もあるのではないでしょうか。

シドに対しては複雑な思いがあるでしょうね。
彼(Roger)自身の裏側を見ているような気がするのかな、と思います。心の底は同じものがある、ということかも。

>あの方(謎)と同様、おとめ座だしね~(爆)

ラッシュのニール・パートもおとめ座です。
なんとなく私好みの人が多いですね^^ (2004.07.21 22:08:48)

 Re[3]:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   ken_wetton さん
Kaoruさん、こんばんは。

>倦怠とか疎外とかいろいろなことですね。

なるほど。もっと深い部分ですね。

>で、Rogerの歌詞に対しては、「そうそう、そうなんだよ」と常に共感していました。ひとりぼっちじゃないんだなあ、というのはWish You Were Hereを聴いて感じたことです。

そうそう。人間は一人では生きていけませんからね。というか大事な人はいなくなった時に、改めて価値がわかるというような気持ちかな~。

>シドに対しては複雑な思いがあるでしょうね。
>彼(Roger)自身の裏側を見ているような気がするのかな、と思います。心の底は同じものがある、ということかも。

「狂気」以降のロジャーはシドを意識していることは事実でしょう。さすがにファイナル・カットまでくると、その辺がかなり吹っ切れているような印象も受けます。

>ラッシュのニール・パートもおとめ座です。
>なんとなく私好みの人が多いですね^^

それは良いことですね。(笑)
(2004.07.22 01:05:02)

 Re:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   JAWS49 さん
>「The Gunners Dream」です。後半に流れるラフ・レイブンスクロフトによるサックス・ソロが心地よい。
次曲「Paranoid Eyes」への流れがとても暗いのですが(笑)、本当にすばらしい。

全く同感です。この曲のサックスは自分をJazzの世界に引きずり込むきっかけの一つになっています。因みにこのアルバムは発表後即買いしました。
強いて言えば、このアルバム以降、RogerWのメッセージが標的とするものの具体化に加速がついて行き、世俗なものとのシンクロが強くなっていったことが、ちょっと残念なのですが。
(2004.10.07 06:31:44)

 Re[1]:ファイナル・カット / ピンク・フロイド(07/19)   ken_wetton さん
JAWS49さん、こんにちは。

>>「The Gunners Dream」
>全く同感です。この曲のサックスは自分をJazzの世界に引きずり込むきっかけの一つになっています。因みにこのアルバムは発表後即買いしました。

わー、共感していただき、とてもうれしいです。
ちょっと最近はRW聞いていないのですが、そのうちまた寒くなりはじめたら、聞き出すような予感がします。(って、意味不明?)

>強いて言えば、このアルバム以降、RogerWのメッセージが標的とするものの具体化に加速がついて行き、世俗なものとのシンクロが強くなっていったことが、ちょっと残念なのです。

なるほど。
でも「死滅遊戯」は好きですよ。もしフロイド名義でリリースしていたら大ヒットしていたでしょうね。

(2004.10.07 16:46:52)

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