ロボザムライ( 飛鳥京香・ 山田企画事務所)

2014/07/04(金)00:07

ロボサムライ駆ける■第49回

ロボサムライ駆ける2014版(78)

ロボサムライ駆ける■第49回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ ■第六章 古代都市(4)  サイ魚法師が味方に付いたことで、戦いの流れが変わった。 「いかん、シュトルフ君、逃げなさい」 ロセンデールは命令していた。 「しかし、殿下、我々は、敵には後ろをみせません。 今まで、そんな負け戦さはしたことがありませんぞ」  呻くシュトルフ。 「シュトルフ君、今がその最初の時なのです。私の考えがある」  ロセンデールがいった 「くそっ、ロボットども覚えていろ」  ののしるシュトルフ。  聖騎士団は奥へ退く。 「へへん、ほえづらかくのはお前たちだよー」  知恵は悪態をついた。 「心柱様、我々日本のロボット、外国勢からお守りもうした。どうぞ安心して下されい」 『有り難い。が、決して奴らに油断するな。それでは、私を中心とした、いにしえの都市をお前たちに見せてあげよう』  心柱の表面が、一度ぐるぐると回りだし、さらには膨らんでいった。 しかし、その表面は物理的なものではなかった。  半透明の膨張面は、背後から戦っていたロボットたちの体を突き抜け、心柱の中にロボットたちは、入っていた。  一瞬、あたりすべてが白熱化し、何も見えなくなる。  すべてのロボットの目がくらんだ。 「我々ロボットの眼がくらむなど……」  彼らロボットの視覚が普通に回復すると。  そこには、心柱のある島を中心に巨大な青々とした地底湖が広がり、六つの島がある。 その各の島の上には石造ピラミッドの神殿が現れている。ピラミッドは心柱を中心にきれいに六方向にあるのだ。  心柱のそばには、超古代に造られたらしい石造りの神殿が出現していた。 古代ギリシャのオリンポスの神殿を思わせる。  主水を始め反乱ロボットはそのそばにたっているのだ。 「これは……」  絶句する主水。  いかなるロボットの電子頭脳もこれは理解の範囲を超えている。  心柱のある島の神殿に数十人の人影がある。 西日本都市連合の首長たちである。  神殿の祭壇の中心に、落合レイモンが座っていた。  思わず主水は走り寄る。 「レイモン様、ご無事でござりましたか」 「おお、主水か。無論じゃ、危機は去ったようじゃな。こちらへこられるがよい」 「この神殿は一体何でござるか」 「主水にわからないのも無理はない。 日本にも、古代には巨石文化がござった。 霊戦争以前のこのあたりの奈良地方の山、三輪山、天の香久山、耳成山、畝傍山、忌部山、磯城山、の地下すべてには、このような石造ピラミッドが超古代からあった。 また、サイ魚法師が出現された湖も、古代には存在しておった大和湖じゃ」 淡々と述べる落合である。 「レイモン様、このことをすべてご存じだったのですか」 「いや、すべてはわからなかった。が、この近畿新平野において、何者か古代の巨大な霊が復活し、私を呼んでいるのはわかっておったのじゃ」 「それをわかっていて、関西都市連合会議に参加なさったのですか」 「その通りじゃ、貴公には迷惑をかけたが、このような大いなる目的があった。許せ」 「いえ、何度も私を始め皆の危うい所を、お助けいただき、感謝の言葉もございません。しかし、ロセンデールのものどもは、レイモン様を…」 「ロセンデールは、私を下へもおかぬ丁重な扱いをしてくれおる。この心柱と化野のことを解決できるのは、落合レイモン様しかおられぬとか申しておったわ。はっはっは」  ちょうど六つのピラミッドの頂上から光が出ていた。 この六つの山のエリア内に含まれる湖面が撥ねて変化している。  光の野となる。  光が感光したように、地上から浮かび上がっている。 十万の人口を養い得る町並が出現していた。 湖は三分の一の広さとなった。 「見よ、主水。超古代都市の復活じゃ」 「レイモン様、これは……」 「はるか昔、古代ユダヤの民の一支族が、この日本に住み着き、『ソロモンの宝』をもってこの地を豊饒の地にされた。やがて人々はその祖先を忘れ、享楽にふけるようになった。それゆえ、この古代の都市は、最後の霊道士によって封印されたのだ」 「ロセンデールが狙っていたのも」 「そうじゃ、この都市に眠る「神の棺」を、申請ゲルマン帝国、ロセンデールは狙っていたのじゃ」  あまりのことに驚く主水たちであった。 「ところで主水、足毛布博士という方を存じぬか」 (続く) ■ロボサムライ駆ける■ 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/

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