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カテゴリ:地下道1949
地下道1949■第12回 (飛鳥京香・山田企画事務所・1978年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ 一人の男が竜のアジトから少し離れた所から見張っていた。 竜と鉄が中へはいっていったあと、男は、写真をとりだし、 一人うなずいた。 停めていた車にもどり、中にしまいこんでいた、タンクと噴霧器をセットし始める。 鉄は竜を押し倒し、首をしめていた。 「くそ、話せ、鉄、話すんだ。白状しろ」 その時、急に熱気が2人を襲う。火災が建物をなめる。 バラックだから火のまわりは早い。 「くそっ、火災放射器をつかいやがったな。アメ公か、ロシア野郎か」 「よし、早く、地面に隠れるんだ。」 このような状態を想定し、アジトには、秘密裡に、水がめを地面に埋めてあった。 いよいよ建物がくずれおちかけた時、水がめに身をひそめ、上にトタン板をかぶせる。 男は、火災放射器から火を噴出しながら、 竜と鉄が逃げだしてくるのをゆっくりと待っていた。 飛び出して来た瞬間に、噴出ノズルを、彼らに向けるのだ。 彼らは生しておいてはならぬ。 そうMGBのエージェントの彼は、命令を受けていた。 彼はじっと待つ。 小屋はついに焼けおかちている。 波らは姿をあらわさなかった。 彼は、火災放射器ノズルをかまえ、くすぶる焼けあとへゆっくりと近づいていく。 足もとから手がのび、彼はひっぱられた。 地面から少年達が急に出現する。 ノズルを向けようとするが、片足を水がけにつっこんでいて身動きが遅れる。 ノズルのスイッチを押したのと、鉄のナイフが、ノズルとタンタ間のパイプを 貫ぬくのとが同時だった。 タンタからガソリンが流れ出し、焼けあとの残り火に引火した。 爆発がおこった。 男は肉片となり吹き飛ぶ。 「また、助けられたな、鉄。とりあえず休戦だ」 「ここにいてはあぷない。恵を助けるのをいそごう」 男の車が、乗りすててあった。ペンツだ。鉄が運転した。竜が尋ねた。 「どこへ行くつもりだ。鉄、ムサシのアジトは反対方向だぞ」 「俺にまがせてかけよ。竜。仲藤の店へ行くーんだ。」 「なぜだ」 「考えてもみろょ。仲藤は俺が殺した。いまは誰もいない。武器だよ。 武器があるはずだ。仲藤の店にはな」 火の手があがっていた。 仲藤の店が燃えている。MGBのしわざに違いない。 「車をまわせ、早く」 竜が叫ぶ。 「この車に気づかれたら、おしまいだぞ。」 店から少し離れたところで、鉄は車をとめた。 「様子をみてくる」 「気をつけろ」 鉄はすばやく、伸藤の店へ近ずく。一昨日、ライリーに追われた折、すばやく隠した 地図をひきずりだす。 じっくり見渡す。仲藤の説明通りだ。現在の地図が、車のダヅシュポードにはいってい たので見比べる。赤丸をすばやぐつけ、その地点の箇条書きを詳しく読む。 そう、ぐずぐずしてはいられない。 ペンツにあの男の仲間が気がついたら、おしまいだ。車に駆け戻った。 「どうだった」 「だめだ、中にははいれない」 「じゃ、次はムサシのアジトヘいくか」 (続く) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 5, 2007 12:06:57 AM
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