私の中の彼へ-青き騎士-飛鳥京香作品

2011/12/09(金)15:26

私の中の彼へー青き騎士ー第10回

私の中の彼へー青き騎士ー(133)

私の中の彼へー青き騎士ー第10回 青き騎士(1992年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 yamadakikaku_youtube 第10回●シーン9  その男は、装甲機から出て二人の話しを聞いていた。 「その二人を渡してもらいたいの」  私はその男に声をかけた。氷原の上にその男はすっくと立りてい た。私の方に、ふりかえった時、野性的な力強い男とわかった。 「お前は唯だ」 その男は、私に面と向かってしやぺっていた 「私を知りないのかい、「ローズサークル」の長、沙織さ。このあたりを、しきっているのはあたしさ」 「お前か、あの「ローズサークル」の沙織なのか」 さげすみの眼だった、 まるで、うじ虫が眼前にぶらさがっているように、その男は私を見ていた。 「お前みたいな女。どうせアイスブレッドだろう」  私の顛は、怒リでどす原くなっていただろう。 「そうだよ、それが、どうしたというんだ。私はアイスブレッドだよ」 「そうなんです。あいつは小さい時から恐ろしい奴なんです。私たちは、あいつの育ての親なんてすよ、それが、今は殺せといわれるこのざまてす。なぶリ殺そうとするんてすよ。だんな」 気を見るに目ざとい父親が今度は、その男に哀れみをかっていた 「俺は、だんなという名前ではない。名前は翔、政府軍遊撃部隊「狼部隊」所属、荒野の狼だ」  私の仲聞から、とよめきがおこっていた、 お前が「荒野の狼」かい、このあたりじや名前が売れているね」本本当のところ、私は少しびびった。 「狼だか、何だか知らないけれど、干渉はやめておくれよ。ここは あたしの領地だよ。お前みたいな敗残兵はお呼びじゃないよ」 「がな、お嬢さんよ、入の難儀をほってあけないのが、俺の性分。 どうしてもこの人たちを殺すといつのなら、まず最初に私を倒して もらおうか」 「聞いたふうな口をおききだね」  ここでひきさがれぱ、ローズサークルの沙織の名おれだ。 少なくとも、政府暗殺者養成機関「ローズパット」で最優秀と呼ばれた私だ。仲間の手前もある。  私は声高に叫んでいた。 「一対一の勝負というわけね、翔とやら」 「無益な闘いだな」 人工頭脳装甲機たる零が、翔につぶやいた。 そのつぶやきは、私にもほかの者にも聞こえた。 「なぜだ、零、俺はこの人間たちを助けたいんだ」 「それが無駄な努力だというんだ、翔、あやつらを助けてどうする 生活のめんどうてもみてやるつもりなのか。我々は移動攻撃部隊だ。アイスに対して、我々の仲間の復讐を果たすのではなかったのか。それがこんなところで、他人のもめごとにかかわりあつて、どうするつもりだ。翔」 「が、零」 「闘いをやめるかい、臆病風にふかれたかな」 私は考え込んでいる翔に向かつて、叫んでいる。 「ともかく、零、ここは勝負をさせてくれないか」 「翔、あせるな」零が言う。 しかし、翔の体は、もう反応していた、それはつまり攻撃機、零の機械も反応している事を意味する。 しぶしぷながら、零も戦わざるを得ない。 沙織は「ローズバット」であたえられたテクニッククをすべて利用する。 3トンは、ある攻撃機、零と、ほぼ生身に近い、補助装置をつけただけの総重量60キロ沙織の対決だった。 ローズサークルの部下たちもまわりをかこんでいる、 沙織は、翔と比較してあまりに小さい体にもかかわらず、いやそれゆえに、健闘していた.  翔の発するしーザー光には沙織はつかまらない。 零のような個人装甲機に載っていないだけすぱやく動ける。 さらに沙織は、「ローズパット」では俊敏さにおいてはピカ一だったのだ。 「どうしたい、人間一人殺せないで、アイスをやっつけるとは地球連邦軍の名と、「荒野の狼」の名前が泣くよ」 「何、くそ。生意気な女め」 「翔、おちつくんだ、よくみろ、彼女の動きにはバターンがあるだろう。それに相手はアイスではない、よく考えろ」 これは、翔と零の機械内会話だ。外には聞こえない。 「そっか、きたない手だが」翔はきづく、 「そうだ。それに、あの女を殺す意味合いもあるまい」 「よし。そうしよう」  とはいっものの、すでに沙織は、岩場のくぼみへ追いおまれていた。 「さあ沙織、覚悟をしてももらおうか。 装甲機「零」、中から翔の声が響いてきた。 「へん、おだまりよ、最後の一発を決めさせてもらう」 翔の装甲機が数mに近づき、沙織の体にに照準を合わせた一瞬。 沙織が消えた。その動きが今までと違う。 数倍速度で動き、零と翔の背後にすばやく走り込む。 零の装甲機の頭部と胴体ジョイント部に、後から両腕でしがみつく、 「さあ、さあ、これで私をどう処理するつもりかな」 沙織の手には、すでに、「ハイマンガンスチ-ルのナイフ」がにぎられている。 「このナイフはよく切れる。動力機動ケ-ブルをたたき切ってやる。そうすれば、あんたも単なるでくの坊さ」 「まちな、沙織」 翔の声か背後からした。 沙織はおわずふりかえる。 何て事だ。そこにはレイガンを手にした生身の翔がいた。 「これはいったい」 私は気づく。 「そうか、きたない手を咬うね、それがあんたの闘い方かい」 怒りで、感情が暴走する沙織は、後先を考えずに行動してしまう。 悪い癖だ。 「えい、こうしてやる」 体がどうなろうとままよと。動力ケーブルにそのまま、ナイフを差し入れようとした。 一瞬、電撃が装甲磯からほとぱしり、沙織は気をうしなった。  最後の言葉か耳に残った。 「やれやれ、手をやかせる女だなあ。とんだジャジャ馬だな」  意識がもどると、もと私が住んでいたコロニーにいた。家の一つに私は寝かされていた、  前には翔がすわっている 「きたない手を使うね「狼」 それが、最初の口からでた言葉だった。 「おいおい、あいさつはそれかよ」 「だって、そうじやないか」 「我々が本当の力を使えばお前の体はふきとぶ」 翔の隣りにいる装申機が、高い位置から翔の声で言った、 「おどろいたか、沙織。我々は、生まれた時から一心同体なのさ」 「機械と人間の共生体が、我々、狼部隊の隊員なのさ」 零が言う。こんどは、自分の声らしい。 「連邦政府がこのように我々を作ったのさ。だからそ供の頃からこ いつと一緒さ」 その話は、私の心を何がしら揺さぶる。 「それじゃ両親の顔は」私は翔に尋ねる。 「そんなもの寛えちゃいないぜ」 「あたしと同じだね」 共感の心が、ゆっくりと思いがけなく私の中に沸き起こっていた。 「ああ、聞いているさ、「ローズサークル」のうわささ。すべての子供は、アイスに対する戦闘兵器にされている」 「普通の子供はいないの」 「いまじや、わずかだ、連邦政府要人のご子息さまたちだけさ」 「それじゃ、あんたと私は、いわば、同じ類なんだね」 「ふっ、、、そういう事になるな、、」  私が寝かされている部屋の中.に、唐突に。私の養父母が走り込んできた.私の方を見向きもしなかりた. 「どっも翔さん、助けていただいてありがとうございます」 「そうなんです。こんな鬼の子供に育てた覚えはないのですかね」 そこではじめて私をさげすんでみた。  私は感じた。どこかのシグナルが危険を発している。 この二人の様子が何か違う。言葉にできない何かが、、 「いかん、沙織」翔がどなる。 そめ言葉と同時に、養父母の体が、白熱する。 両親の体は、触角の総合体と化した。 すでに、人間の姿は肉塊となりはじき飛とび、「アイス」の究極兵器が2体いた。 (続く) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 yamadakikaku_youtube

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