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「宇宙から還りし王」(山稜王改題) 山田企画事務所

■宇宙から還りし王 第6回

■宇宙から還りし王(山稜王改題)第6回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
 
絶壁をようやくはいあがったケインに何の感動もなかった。これ
からおこるであろう危険に体をこわばらせていた。
 
が、あたりの風景には少し心が動く。他の人間にはやはり感動的
なものだろう。

そのジャングルだった。

 子供の頃、学習場でVTRを通して見たことのあるジャングルが
ここに存在していたむだ。
 このラシュモア山は高い山の上で、低温のはずだ。

 が、ここはまぎれもなくジャングルであり、ジャングル独特のム
ッとした熱気がケインの体を包んでいた。密林のため遠くの方まで
見渡すことなどできはしない。遠ともない。

 ケインはどう進めばいいのか、考えあぐねていた。
 
「お前、どこへ行くつもりだ」
 ケインの背後から声がした。

それは、生き物の声ではなく、造り物の声だった。
ケインはうしろを振り向く。
 キメラ怪獣だった。

この世の中で一番醜いと言われる「アゴルフォス」がしゃべっている。
 
豚の顔に大きな角をつけ、全体にぶょっとしたあざらし風の皮膚
をしている。短躯で、おまけに三対の眼は、あちこちを見ている。
その六つの目玉が常に勤いていて、おちうかない。しっぽももうし
わけ程度に付いている。

 「シャナナ宮殿」で、護衛をしていたキメラ獣がアゴルフォスだった。
が外見とは違って頭は良い。がなぜフゴルフォスがこんな場所にい
るのだ。ケインは考えた。

 「そういうお前は何者だ」
 ケインは逆に問いかえした。
「我輩の事を知らんだと」
 アゴルフォスは気持ちの悪い笑い声をあげた。
(続く)
■宇宙から還りし王(山稜王改題)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/


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